2012年7月25日水曜日

「海が憎い・・でもここで生きてくしかない」

今日の午前中は『入谷小学校仮設』でのケアカフェOpen.
肉屋を営んでたこの方は、地震直後の店内を写真に収めました。懐かしむように見ている写真は、在りし日の店内です。この数分後に、建物は流されてしまいました。


ある女性の甥御さんは役場勤めでした。あの日、防災庁舎の屋上から姿を消してしまいました。「昼間の地震。津波まで十分に逃げる時間があったのに、流されてしまった。弟夫婦は毎日泣いている・・」。数十年前、この女性のご子息が小学校2年生の時、海水浴に出かけて亡くなられたそうです。「海が憎い・・。でも、ここで生きていくしかないんだ」。泣いてばかりいた当時を思い出し、弟の悲しみに心を寄せておられました。

年老いた親が家屋を流され、住まいを失う。一人暮らしを案じてご夫婦がそれぞれの親御さんと共に暮らすため、家族が離れて暮らす。夫婦で出した決断だそうです。「そういう人多いよ」・・と、何とも割り切れない思いを語ってくださいました。
震災によって変わってしまった人々の日常は、取り戻すことができない大きな傷跡を残しています。


午後からは個別訪問でした。
ご子息を亡くし、お嫁さんが精神を病み入院されたという方や、ガンを患い明日から治療入院されるという方を訪ねて行きました。

「かったるくって、メシも食えない」と、険しい表情とイライラした口調でそう仰る方の足は3倍くらいに膨れていました。そうした状態であっても訪問者を快く迎え入れ、もてなして下さいます。話しているうちに表情に笑顔が差し、この方の食料でもある、栄養価満点の自家製野菜ジュースを二人で頂きました。今日初めて口にする食料ださうです。「元気がでてきた。あんたになんか土産でもやりたいけど・・何にもないな・・」と仰います。明日の治療に「達者で行って、達者で帰ってきてください」それが何によりの土産です。笑顔で見送って下さる姿は喜びに溢れているようでした。(記:マドフォ)

2 件のコメント:

  1. 人と話すと元気が出ることがありますよね。
    本当に大切な活動だと思います。
    なんだか泣きそうになりながら読みました。

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    1. 関心をもち続けて下さる心に支えられます(^^)いつも・・アリガトウ!

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