2013年8月31日土曜日

解決出来ない課題に向き合って

 今日の活動で仮設住宅を訪問した、地元スタッフ。
そこで見聞きした事柄は、容易な問題ではありませんでした。


頂いたアクリルたわし
高齢になっていくことによって感じる老化の悲しみ・・・、家族の間に生じる理解のなさ・・・、子ども家族と共に住みながら感じる孤独・・・、今になって感じる自分はいったい何だろう?という疑問・・・、様々な大きな課題に向き合います。


  スタッフが心の耳を傾け、そこに聞き取れる相手の心の痛みや叫び。時として、訪ねて話を聴いていても、『ごめんなさい、その事にはわたしには何も出来ない』と思えるほどの問題に触れることはよくある事です。今日も、訪問した先で受け止めた心の叫びは、そういうものでした。たった一つとも言える楽しみの編み物であるタワシを頂きながらも、心苦しくなって帰ってきました。その方のために出来た事といえば、誰にも話せない家族間の苦しみを、しっかりと受け止めてきたこと。

  第三者として問題の解決には関われませんが、この受け止める事をしっかりとする事、これが大事なことなのでしょう。解決に向かわなければいけない当人が、課題に向き合える力になる勇気・忍耐・覚悟・・・等などを掴めて歩めるための存在になること。難しいですが、それを忘れないようにしたいものです。


 今日は、病院訪問も行いました。
志津川町内には入院できる病院がないために、隣町の病院の一角に公立志津川病院があります。志津川の町からは一時間はっかる距離にあります。入院すると、なかなか知人や友人の面会が難しくひとり寂しく闘病する事にもなりかねません。今日、訪問したHさんは仮設で骨折しリハビリの為に入院しておられました。リハビリは大変そうですが、数ヵ月後には自宅再建が待っていると嬉しそうでした。「こんな場所に来たのは辛いけど、辛抱したら家に帰れるから、頑張れる」と嬉しそうでした。
 希望は、人を強くする こと、痛感します。

訪ねてくれた会長(左)と
また、午後に三滝堂HUGハウスに、歌津地区のある仮設住宅の自治会長さんが訪問してくださいました。その仮設住宅には、月に数回か訪問していますが、会長さんも訪問を喜んでくれて「まだまだ、3年、5年は仮設暮らしが続きそう・・よろしくお願いね」との事でした。
(記:宇根)

2013年8月29日木曜日

出会いに謙虚に学ぶ姿勢

今日は、地元スタッフはるみちゃんとようちゃん。
二人は、一日かけて隣町の南方の仮設住宅に訪問に出かけていました。
下記に、二人からの報告を記載します。


『今日訪問した先のお宅は、毎日家の中に居るから足腰が弱ってしまったお婆さんのお宅です。「まけて玉るか」この言葉は震災後、自分達の手で浮き玉を基にミニ浮き玉を作って添えてる言葉だそうです。

 その方は毎日変化はないけど生きてられる事に感謝して欲はだせないよと語ってくれてました。また、ご先祖様にも震災でと言う理由で粗末にしたくないから毎日ご飯とお茶とお水はかかさず上げてるそうです。
そして病気で亡くなった旦那様と少しお話しして気持ちが落ち着く事も教えて下さりました。良いお話しが聞けたのでこちらが『ありがとう』を伝えて帰って来ました』(るみちゃん)


 『いつもは耳の不自由な旦那さんと一緒の時にしかお話しできませんでしたが、今日は奥様と二人きりでゆっくりお話しする機会ができました。
年はもう90才、もう自分が面倒みてほしい…でも私が看てあげないと…そう思い、自分を奮い立たせながら看てるんだと話すTさん。旦那さんと一緒の時には決して口にすることはない胸の内…でも、「私は看護婦さんなの」とおっしゃったTさんの笑顔は、どこか誇らしげに、そして幸せそうにも見えました。長年連れ添った夫婦の愛情に触れた出会いでした』



ブロクを投稿する二人
活動終了後に、上記の報告を二人は懸命に作り投稿してくださいました。それぞれの感じた思いを大事に、出会いによって得られる学びを謙虚に受け止めようとする思いが投稿してくれた内容から伺えます。
 るみちゃん、ようちゃん、ご苦労様でした。


 また、今日の午後には三滝堂に訪問者がありました。先日、HUGハウスのメンバーで出席したJCNの「東日本大震災支援全国ネットワーク」の時に、名刺交換したCさんです。HUGハウスの活動やホスピスケアに関心を持たれようです。HUGさんと話をしつつ活動の内容だけではなく、ご自身のいろいろな思いを話せる機会にもなったようです。
 種々の集まりや集いの中で出会うことが活動や繋がりの幅を広げていくということが、今日も味わえました。繋がりがどんどん広がっていけるように心がけたいと思います。

(記:宇根)



















2013年8月28日水曜日

また会える日まで・・・出会いに感謝

 この間まで、元気そうに話をし、皆に会いたいと話していたKさんが、もうすぐ旅立ちを迎えようとしています・・・。

 HUGハウスとしても、何度もカフェの時や仮設住宅訪問の時にはお会いしていたKさん。
 よく自室内に通して下さり、美味しい漬物を振舞ってくれました。三滝堂HUGハウスのカーテンを縫ってくださってくださったKさん。
Kさんに会い行く前に皆で確認
津波の時に、波ののまれながらも助かった命を、「せっかく助かったいのち・・無駄にはしないよ。病気なんかにまけてられませんよ」と話し頑張る姿を見せてくれていたKさん。

病室を出てKさんの思い出を・・
今日は、Kさんにお礼を伝えに出会いに行ってきました。また同じ仮設住宅で仲の良かった住人にも声をかけ一緒に便乗して会いに行ってきました。
 みんなが会いに来てくれた事がわかったKさん、嬉しそうでした。もうすぐ帰る事を伝えると、帰るには「早い」と。Kさんに出会いの感謝を伝え、また会える?と聞くと「会えるよ」としっかりと応えてくれたので、嬉しくなりました。未だ未だ出会いは続くんだなと思えて・・・。

 仮設住宅で一緒だった方々も、出会う前とは違って、出会えた後は、「安心した」と分かち合ってくださいました。また、皆でKさんの思い出を話すことも出来きました・・・、良かったと思います。これからの時間、Kさんにとってもご家族にとっても一日一日が大切な時間を迎えることでしょう。良い時間を過ごされますことを、心より祈りたいと思います。


 また、今日は歌津地区の仮設住宅で行われているお茶会に一緒に参加させていただきました。
何時も何時も、美味しい漬物を準備してくださっていますが、今日もナスやきゅうり、セロリの漬物を美味しく頂きました。

参加されておられる方々は、これまでの様々な苦労を乗り越えてこられたかたばかり・・・その時の苦労話しがどんなに輝いて聴こえてきたことか。つけものを漬ける方法や知恵を身につけてきた知恵が、どんなにか輝いて聴こえてきたことか。

 人生の歩みを輝かせて見せてくださったみなさん、本当に有難うございました。(記:宇根)

2013年8月27日火曜日

人に繋がっていく支援を目指して

私達の支援は、「人」が基本です。

 ですから、出会った方々との出会いを大切にしながら、その出会いに隠されている意味に心打たれたり、味わったりします。
 そして、出会いは偶然ではなく必然であるとも思い出会いを続けていくように心がけています。

ですから、出会った場所が避難所で、今は仮設住宅に住んでいようとも住んでいる場所には関係なく会いに出かけます。出会った場所が仮設住宅で、今は自宅を再建して隣町に住んでいようとその状態には関係なく会いに出かけます。

 そして、出会った時は元気でも、今は老人施設に入り理解する力をあまり使わなくなったようになっても会いに出かけます。また、出会った時は、津波で流されても助かった命を懸命に生きるんだと前を向いていた方で、今病で床に伏し病院でもうすぐ最期を迎えようとしていても会いに出かけます。

住んでいる場所や状態によって関係が切れることはなく、本人や家族の希望があれば喜んで関係を続けていきたい。それがHUGハウスで大事にしている出会いなのです。


今日は病院に出かけて最後が近いかも・・・と思えるNさんと出会いに行きました。
また、仮設住宅で出会ったMさんが入居中に倒れてしまい、伏したままではないかと心配して会いに出かけました。

こうして、今後も出会いを重ねていきながら、その都度、その人との出会いを大事にしていきたいと思います。



今日は、歌津地区の仮設住宅のお茶会への訪問と志津川地区の在宅で暮らす方々への訪問に出かけました。

 歌津地区のお茶会への訪問は、何時も談話室でお茶会を開いている方々を訪ねていくものです。今日は朝一番の雨模様のために談話室内に集まっておられませんでしたが、一人の方が声をかけてくださいました。突然の訪問でしたが、喜んで迎えてくださり有難かったです。

「あんたたちが来てくれたおかげで、あたしは、地元の言葉で話がいっぱいできるようになったのさ。だから、こうして元気になっているし・・・」
「わたしは、畑に行くと、何もかも忘れられるのさ」
参加した方がたの感想です。

訪問した先で・・

 午後からも、個別の訪問を行いました。
あるスタッフは、訪問した先で相手の方の話を聴くことの難しさについて話題になり、質問も受けたようです。どうしたら、人の心を受け止めても疲れないようにできるのか?・・・と。スタッフは、自分の経験してきた事を伝えられたようですが、こうして丁寧に他の人の心を受け止める思いや方法が伝わっていけたら嬉しいなと思いました。それも、経験したスタッフの姿が刺激になって・・・(記:宇根)







2013年8月26日月曜日

活動への準備~カフェ調整と拠点整備~

 今日の、三滝堂HUGハウスは朝から晴天に恵まれていました。青空の中に映える緑の美しかったこと・・・。お盆も過ぎて、朝晩の気温は20度を下回り始め、秋の訪れが近づいていきているのが分かります。

 季節は、変わろうとしています。

 日中の志津川は暑いほどでした。

今日は、地元スタッフはすみちゃん一人。今日は、午前中は荒砥拠点にて、9月のカフェの調整、活動の日程調整を行いました。現在、心のケアカフェの頻度は次第に少なく、むしろ個別訪問の頻度が上がってきています。
 8月は、夏休みやお盆等の行事のために、実施できなかった場所もありますが、9月の間に、希望はあっても実施できなかった仮設などでのカフェの実施を継続していこうと考えています。また、cocoタイムの希望もあるため調整を行い実施を考えていくつもりです。

  午前中に、荒砥拠点に近隣の和尚さんが訪ねてきてくれました。(写真左)近くのお寺で近隣への奉仕をしているHさん。HUGハウスに部屋を提供してくださっている大家さん宅も訪問されていますが、今日はHUGハウスにまで足を伸ばして下さり激励してくれました。Hさん、ありがとうございました。おしょうさんと和尚さんが、お互いに「ご苦労様です」と声かけ会える関係に、いいな思いました。


 午後には、荒砥拠点と三滝堂HUGハウスの整備をしながら事務仕事を行いました。荒砥拠点は、事務所としての機能だけでしたが、写真右のようにくつろげる空間も作ってみました。
 また三滝堂HUGハウスも網戸がない部分に簡易網戸も設置・・・。

 こうして、拠点を整備し必要な事務の整理をやることで、また明日から地元スタッフと共に多くの方がたの元へと訪問していけたらと思います。(記:宇根)


2013年8月24日土曜日

おもちゃ図書館の日

きょうは定例のおもちゃ図書館の日でした。参加者は少なかったですが、大学生のボランティアの方々が来られ、子どもたちは遊んだり・相手をしてくれる人がたくさんいて、大はしゃぎでした。
にぎやかでほのぼのとしたひと時でした。

HUGハウスでは、ケアカフェ心香として、アイスコーヒーと麦茶、ポカリスエット、またおやつは沖縄のお土産()パイナップルとサータアンダギーを提供しました。(記:堤)



2013年8月23日金曜日

スタッフの成長を求めてー緊張と出会いと学びー

 今日から、お盆で帰省していたHUGさんと、おしょうさんも活動に戻りました。二人の長期のお盆休みの間、あきえさんと地元スタッフが頑張りました。どんどん地元スタッフが成長し責任を持って日々の活動へ取り組めている姿を垣間見えて、とても頼もしく思いました。


 今日の午前中の活動は隣町のる老人施設へのい訪問と、米谷住宅でのカフェ開催でした。

老人施設で待っておられたHさん、訪問を喜んでおられていました。今回も、訪ねてきたメンバーを忘れないように、日記に住所と名前をちゃんと書いておられました。前回も、日記に書いておられたようです。徐々に憶えられなくなる中でも、日記に書き留めておくことで感謝を忘れないようにしようとする心に、感動を覚えます。忘れることはあっても感謝したい心は忘れたくない!と動く、Hさんの心は本当に健全だと感じました。

 今日の午後はスタッフの研修会です。何時もは、三滝堂での学びが多いスタッフ研修ですが、今日は志向を変えて、地元南三陸町で開催されている、ある会議に参加することを研修といたしました。

 その会議は、東日本大震災支援全国ネットワーク、第7回現地会議in宮城 ー人が集まり、つながり、元気になる地域づくり ーというものです。心のケアというものに直接結びつく内容より、地域づくりがメインの会議でしたが、多くの支援に触れてみる、多くの意識ある人の意見に触れ聞いてみる、そして出会いから学んでみる、そういう意味合いのもと研修として参加を企画しました。都合あって参加出来たスタッフは、るみちゃん、すみちゃん、あきえさんと、HUGさん、おしょうさんの5人でした。

 会議は、前半は幾つかの発表を聴く、というものでした。「ちょっと緊張してた」「なんだか、場違いのところにきてしまったみたいに感じた」と話していた地元スタッフでしたが、後半はグループに別れ意見交換に出て、意見を求められる頃にはすっかり場にも慣れ地元の意見を言えるくらいにまでなっていました。

会議終了後のスタッフの感想は・・・
※ 「緊張していたし、ええ、どうしてこんな場で?と思っていたけど、地元の声を聞かせて欲しいと言われてからは、できるだけ解ってもらえるように思って話が出来て良かった」
※ 「何人かの人と話ができたし、いろいろな人と会えたのは刺激になったし、活動について説明できたのは良かった」
と話してくれていました。
 地元スタッフにとっては、初めての経験だったようですが、その顔には自信が満ちているようでしたし、会議に参加できた満足も感じているようでした。

 会議の中で多くの意見が出ていましたが、大事なテーマは、如何に地域の人材と共に・・如何に地元人材を育成できるか・・・があったようです。HUGハウスも、スタッフの養成には力を入れていますが、日々の傾聴やケアの学びだけではなく、こうした集まりに出席する事で刺激を受けたり自信をつけたりする事も大事な育成だと考えています。

 最後に、HUGハウスの名刺をもって名刺交換をしているスタッフの姿を見ていると、とても嬉しくなります。コツコツとでも着実に成長していくスタッフの姿が、そこにはありましたから・・・。みなさん、ご苦労様でした。(記:宇根)

2013年8月22日木曜日

つながっている



自宅を再建された方のお庭には、
早速花壇が設けられていた。
しかし、今でも憧れる海の風景はない…
 昨日から二十日盆、三十日盆の話が出ていましたが、今日の個別訪問先で、こんな話を伺いました。

女性を支援する団体、
つむぎの家を訪問。
お昼御飯をいただきながら、
親子連れのお客さまと交流。
昔々、ある港に宝物をいっぱい積んだ外国船がやってきました。高価な品々があると分かった人々は、互いに話し合いました。「船に乗っている人を殺し、品物を分捕ろう。」そして、乗船員を亡き者にし、高価な品々を奪い取り自分のものにしてしまいました。盗んだものはその人たちを金持ちにし、裕福な暮らしができました。しかし、それからのことです。海で働くその人たちの間で、遭難事故がやけに相次ぎ、海で命を落とす人がたくさん出ました。これを見た浜の人々は、「きっとこれは、外国船に乗った人々の恨みをかったに違いない。」と思いました。そして、供養のため、二十日盆を行うようになったとの事です。

自分の仮設住宅前のスペースを
バス待ちの方々に椅子を提供する
Yさん。
 このお話の信ぴょう性はわかりませんが、人々が信じている話の因果関係や習慣から、学べることがあります。それは、一人ひとりの行動は、自分だけではなく周りの人に様々な次元で影響しているということ、自分の知らない自然や人とも、つながっているということです。つながりは、良い方に使いたいものです。

 午後からは南方方面の見なし仮設や仮設住宅を尋ねました。ある一軒のお宅では、震災の影響で、心も体も不調をきたていらっしゃるという方を尋ねてほしいと言われました。このような輪によってつながり、恨みや恐怖ではなく、励ましや静かな支え、忍耐によって人が生き生きと生きられるよう寄り添いたいと願うばかりです。(記:林)
 
 

2013年8月21日水曜日

小さな変化も大きな喜び



朝のミーティング
寝そべる猫 於 大雄寺
夏の暑さもお盆を過ぎれば、秋の香りを漂わせます。大雄寺の猫も地面に寝そべっていられるくらい、朝と夕方には涼しさを感じました。今朝のミーティングは、久しぶりに大雄寺を貸していただき始まりました。静寂とどっしりと構えるお堂の雰囲気は、スタッフが傾聴活動のモードに切り替えられる、良い環境です。

 

 さて、午前中は歌津方面の仮設を個別訪問しました。

以前カフェでお会いした方々でも、数カ月お会いしないと、様々な体調の変化がありもうカフェにすら出られない状態の方もあることを耳にしました。どんな状態にあっても、最後までその人らしく生きられるよう願うばかりです。

あるスタッフは、一人暮らしの方を訪問させていただきました。先日、伊里前の商店街では夏祭りや花火大会があったそうで、あまりの人だかりに仮設住宅のベランダから賑わいを見ていたそうです。又、テレビカメラも入り、この方の家の中を映していかれたようで、「もう十分」と頭を抱えていらっしゃる様子が印象的でした。応援のための活動や支援を募るための現状調査といったことが、時に当事者を疲れさせてしまうということは、意識しなければならないなと感じました。それでも、この方は外から来る人を寛容に受け入れて下さいます。震災によるもの、そうでないものなど御自分の抱える様々な痛みを引き受けつつ、外の方を受け入れようと心を開かれる姿勢に、これからの道が大きく開かれる可能性を感じました。

 
仮設のアイドル 
近所の子供たちが集まって
一緒に遊んでいた。

午後は、志津川と横山方面の仮設を訪問しました。

新しい出会い、継続している出会いがありました。特に継続して関わらせていただいている方の小さな良い方への変化を発見した地元スタッフは、かえって大きな喜びをいただきました。どの方も最終的には自分の中に生きる力がある、問題に立ち向かい、超えていけるというスタンスで向き合わせていただきます。出会った方が、自分を取り戻されたり、生き生きとされていくと、スタッフにも大きな喜びがあります。(記:林)

 

 

 
 

2013年8月20日火曜日

久々に志津川を尋ねて



荒砥事務所の前で
「おはようございます!」清々しいお顔で、荒砥事務所でスタッフを迎える方がありました。昨夜から来られている川崎からの訪問者、小笠原さん御夫婦です。お二人は、この荒砥仮事務所に初泊りをされました。昨夜の感想を聞いてみると、「山小屋より良かった!」との事。山登りをよくされるこのご夫婦にとって、屋根のある家は、上出来。その上、朝晩涼しく、風が気持ちの良い荒砥の一晩サバイバルは、冒険心で楽しめたようです。

元慈恵園から町をながめる
小笠原夫妻と地元スタッフ
 

さて、これまで何度か志津川を訪問されていた小笠原さん御夫婦。一年ぶりに訪れた志津川の町の事を、地元スタッフに熱心に尋ねておられました。

町ナビでは、慈恵園跡地や、さんさん商店街、三滝堂に立ち寄り、HUGハウスの現在の活動内容を分ち合いました。町の整備がまだまだ進んでいないことに心を痛められつつ、今現在仮設に住んでいらっしゃる方々を気遣っていらっしゃいました。

三滝堂の河原に下り
自然を満喫するご夫妻
小笠原さんが所属する教会は、この小さな支援団体HUGハウスに祈りと義捐金支援をしてくださっています。町の整備のような大きなことはできなくても、これからどのような支援が必要か、自分たちは何ができるのかを考えて下さっています。

現地の活動を後方で援助して下さる方々がいるというのは、励みになります。このようなつながりも、大切にしたいです。

 

 午後からの個別訪問のため、車を走らせると、町にはたくさんの喪服を着た方がいらっしゃいました。地元スタッフに尋ねてみると、志津川の町では、御先祖様の供養のためにお盆だけでなく、二十日盆、三十日盆にもお墓に出かけ、お参りされるそうです。昔ながらの習慣とは言え、家族そろって御先祖様への祈りを捧げる時は、御先祖様とのつながりと家族の絆を深める大切な時間なのかなと感じました。

 

 個別訪問では、仮設集会所に設置されてあるベンチで、お話を伺わせていただきました。お話を伺っている周りには、夏休みで家にいる幼稚園児から中学生の子どもたちが、まぜこぜになって集会場に集まり、時々一緒に遊んだり、思い思いに過ごしたりという光景が見られました。近所の方々がすれ違い様に声をかけ、目を配っている様子に、感激したのは外からきているスタッフ(筆者)です。このようなつながりはいつまでも大切にしたいなぁと思いました。(記:林)
 
 
 

2013年8月19日月曜日

お盆休み明けの活動開始

今日は、朝のミーティングでスタッフの傾聴から始まりました。
それぞれの家庭での出来事や思いを分かち合いながら、お互いの今の体調、状態を確認し合いました。沈黙の時間を取って、今日の活動開始です。

昨日夏祭りを行ったという某施設を訪問させていただきました。
スタッフ4人、それぞれ違うフロアに別れて伺いました。

あるスタッフは、共同のスペースで入居者の方々が大勢いらっしゃるにも関わらず、遠くを眺め、あたかも一人でいらっしゃるかのようにたたずんでいました。声をかけ、二人の時を味わいます。
また、認知症を患っていらっしゃる方は、スタッフのことは忘れても、津波の事は忘れません。
「この津波は、みんな流してったもんね」

しばらく語られた最後は、そう締めくくられました。

別のスタッフは、以前ご自分の居室が「城だ」と話して下さった方を尋ねてみました。
状態は毎日変化します。今日は、体調不良で以前のような出会いはできませんでした。

施設の外では、昨日の夏祭りの
やぐらの片付けが行われていました。
訪問で必ず会えるとは限りません。それでも、「心を寄せていますよ」のメッセージを伝え続けるためには、尋ね続けることが必要でしょう。

昨日の夏祭りに関して、お話しされる方がいらっしゃいました。
祭りについて
「待つ時は楽しいけど、終わるとさびしい。…俺たちみたいだ。」

そんな風に語りながら、テレビの高校野球に目をやっている方に出会いました。
祭りの話と人生の流れが似ていると感じつつ、今を生きていらっしゃるこの方の今の想いを
スタッフはキャッチしました。

他に出会ったある方は、ずっと歌を歌っていらっしゃいます。きっと、昨日の夏祭りの余韻に浸っていらっしゃるのだろうと思い、声をかけてみましたが、実は参加せず、施設の中で閉じこもっていらっしゃったそうです。スタッフが気になって、声をかけますと、「歌は好きだから」と。昔の歌は楽しく口ずさめます。「明日、家に帰りたい。」帰ることができない現実と望郷の思いが交差し、スタッフの心にグッときました。

今見える現状から、見えない背景まで、とても奥深い人の生き様と今日も出会わせていただきました。

午後からは、荒砥仮事務所で初のお泊まりをされる方の為の掃除と、スタッフのパソコン教室を敢行しました。
HUGハウス スタッフは、簡単なパソコン操作ができるようになることが求められています。
そこで、スタッフ間で学習し合う時を設けようと話が出ていました。
今日は、その手始めに、電源を入れて、ワードを立ち上げ、このブログのタイトルと一文を作成する練習をしてみました。
本日のブログタイトルは、地元スタッフ、すみちゃん、けいちゃん、ゆうちゃんが考案したものです。これからの可能性が楽しみです。(記:林)
 







2013年8月10日土曜日

スタッフのcocoタイム~一日研修~

 今日は、一日研修としてスタッフの為の「cocoタイム(ココタイム)」を行いました。

 日頃、多くの方がたの痛みや苦しみに寄り添う時間に多くの神経を使っているスタッフは、当然のことながら疲労します。加えて、自分自身の課題や家族間での課題、復興への課題などにも心を割いているでしょう。

 今日は、日頃の疲れを癒すひとつの機会として、また自分自身への褒美として、三滝堂とは違う雄大な自然に触れながら時間を過ごす時を持ちました。また、研修としては、「自然の中で五感を使う」事を意識もしてみました。

 場所は、吹上高原キャンプ場。雄大な山々に囲まれ芝生が全面に広がり、時折吹き抜ける風の心地よさに、一度座ってしまうと立ちたくなくなるほどでした。

 皆で美味しい朝食をいただき、芝生を散歩しながら風・光・小鳥のさえずり・芝生の感触・・・をゆっくり味わいました。

疲れた体と心に五感を通して心地よさが染み渡ってくるようでした。童心に帰ってボール遊びに興じた後は、施設内にある温泉で汗を洗いスッキリ。


「時々、心にある引っかかりを思い出すことはあったけど、でも、そればかりではなく楽しいと思えた」
「こころを、この高原に置いてきたくなるほど・・・」

 等の感想がありました。本当に楽しく有意義な時間を過ごせたと思います。

 さて、HUGハウスは、来週11日(月曜日)から18日(日曜日)まで、お盆休みに入ります。地元スタッフは、それぞれお盆の時期を家族と過ごしながら十分な休養を取れますように願っています。他のスタッフも自分らしく時間を過ごし栄養と休養をとり、お盆明けからの活動に備えていきたらお思います。
(記:宇根)