2012年9月30日日曜日

秋の学習会IN六甲教会

              
今日は神戸のカトリック六甲教会でミサ後、社会活動部主催の「秋の学習会」が開催されました。講師はHUGハウス代表堤が務め、「被災地(南三陸)の報告と学習会」というテーマで行われました。
沈黙とアイコンタクトの
主な内容は、1.心のケアを中心としたHUGハウスの活動報告 2.教会として支援に関わる意味を考える 3.Come&Seeの紹介。この3つでした。
社会活動部の皆様です


『Come&See in 南三陸プロジェクト』でもお伝えしたように「忘れない」を生きて下さることが一番の支援になることが少しでも伝わったかなと思います。それぞれの置かれている場で「忘れない心」をどう生きるかを考える機会にしていただければ幸いです。前日から台風の影響でお天気が崩れ当日も雨模様でしたが大勢の方が残って下さり真剣に耳を傾けて下さいました。心から感謝いたします。企画をして下さった社会活動部の皆様ありがとうございました。(記:堤)



2012年9月28日金曜日

心の復興にはまだ長い道のりが

  今日からハグさんと、おしょうさんは「スピリチュアルケア学会」(於:京都)への参加と神戸での報告会・ケアのために出張です。帰りは10月3,4日になります。この間は、地元スタッフのみでの活動になります。

 今日、28日は、地元スタッフだけでの活動。以下にえみちゃん、るみちゃんの報告を記載します。
荒れている海
「今日は、南三陸町はあいにくの雨で気温も寒い位でした。ハグハウススタッフの3人での個別のお仕事で朝は雨なので訪問する場所を海が荒れてて怖いので全く別の登米市の仮設住宅と登米市のみなし仮設と廻館仮設に行って来ました。
まずは荒れている今日の怖い海の様子・・。戸倉に行こうとして海の恐ろしさに引き返して来ました。穏やかな海が今日は、一変して道路にも水しぶきが上がってました。
 また、廻館の77歳の元気なSさんにお話しを聞かせて頂きました。Sさんは「この間町の老人会に参加して普段会えなかった人達と会えて凄く嬉しかった」と喜んで話してくれま
花の世話をするSさん
した。
「なかなか昔みたいに、会いたい時にすぐには会えないから、たまには集まりも必要だね」と語ってました。普段の趣味はお花いじりと釣りと元気に話してくれましたが「新築して5年目に建てた家を津波に流されたという事は本当に悔しくてたまらない」と聞かせてくれました。やっぱり時間が過ぎても心の復興にはまだまだ長い道のりだと思います。今日は雨なので大好きな釣りに行けないのでちょっと晴れたすきにお花いじりをしてました」


作業するKさん

心いやす人形

 「登米市の仮設住宅にお住まいの、Kさんにあいました。おじぞうさん作りの発想者、元祖先生・・。お坊さんも作ってみたそうです。おじぞうさんだけじゃなく蟹も。何かしないと」と、始め「人形ひとつひとつに、心を癒されています」と、明るくお話してくれました」
(記:宇根)

三滝堂ウッドデッキ完成


完成したウドデッキ

皆で完成の記念に

 三滝堂の改修工事が終了しました。庭に見事なウドデッキが完成。大きなデッキには、ホープシーズから頂いたベンチを設置しました。デッキに座ると、廻りに取り囲む自然がまじかに迫ってきます。静かにせせらぎも聞こえ、とても穏やかな感覚になっていけます。ここを利用する方々も、この空間に癒される時間が得られる事を願います。3日間の間に、見事に完成させてくださった、アガペの仲間たちに心より感謝です。

  アガペの仲間たちの、中で、初めて被災地を訪れた3人は、午後より地元スタッフのすみちゃん、けいちゃんと共に、町ナビを経験することも出来ました。ずっと作業をしてきたいただけに、一度は町を見てみたいという希望をスタッフがかなえて下さいました。地元の人から受ける説明に当時の大変さを実感できたとの事でした。

アガペの仲間たちと一緒に

完成したデッキで夕食

池田神父様(左)も大喜び

 夕食は、完成したウドデッキので、南三陸町の海の幸を堪能しました。和歌山の内陸に面した場所にアガペがあるだけに、新鮮な南三陸町の海の幸は、何よりの御馳走になった 
 ようです。本当に、豊かな海に恵まれた三陸町に皆で感動しつつ、この豊かさが又地元の方々・そして多くの地域の方々を喜ばせる時期がおとずれることを切に願いたいとも併せて感じたひと時でした。

 池田神父様・アガペの皆様・そして杉山さん、本当にありがとうございました。またこれからも、思いや活動も繋がって行きたいと思います。宜しくお願いいたします。(記;宇根)




2012年9月26日水曜日

研修と出会い


町内の学校跡地の町ナビ

商店街の町ナビ

  今日は、神戸市 から「愛徳カルメル修道会」のシスター達が12人come&see研修に参加されました。 午前中は地元スタッフと一緒に分れて町ナビの経験。メディアでは伝わらない津波の大きさや住人たちとの出会いにとても感激していました。地元スタッフの中には、今日が初めての町ナビの経験の方もありましたが、それぞれが経験した事や思いを伝えしっかりと受け止めてもらえた事が、辛い現実を受け止める力にもなったのではないでしょうか。町ナビを引き受けて下さった地元スタッフにはご苦労様、そしてその経験をしっかりと受け止めて下さった研修参加者のシスターの皆さん有難うございました。

町ナビでシスターと一緒に

 昼食は、三滝堂に集合して改修工事をしているアガペの仲間と合流。昨日に続き、仮設住宅のお母さんたちが準備してくださった食事に、皆で舌鼓をうちました。昼食時には三滝堂に総勢30人が集うことになり、とても楽しく安らぐ時間でした。天気も良かったために、家の外にもテーブルを出しての食事。
ウドデッキの形が見えてきました
 
総勢、30人に及ぶ昼食
食事を準備してくださったお母さん達も帰りには大喜び。自分たちが作ったものを美味しく食べてもらえる喜びが大きかったようです。皆さん、ありがとうございました。アガペの仲間たちも、突然の来客に緊張したり喜んだり・・。シスター達の存在に圧倒されていました。
 今日のアガペの作業は順調で、夕方にはウッドデッキの全景が見られるところまで来て、完成まであと一息です。

研修後に全員で記念に
午後は、come&see研修のシスター達は田尻畑に移動し、地元スタッフと一緒に心のケアについてのミニ研修を行いながら、一日の出会いの感想を分かち合いました。被災地の姿に触れながらもそこで暮らす人々の思いに直接触れえた事は、何よりも大きな感動だったようです。
 この出会いと経験を忘れないようにしたいものです、地元スタッフにも大きな力となった出会いでした。皆さん、本当にご苦労様でした、そして有難うございました。(記:宇根)





























2012年9月25日火曜日

カフェ調整と改修工事


手のひら地蔵

庭にウッドデッキ作り開始
 今日の活動は、昨日に引き続き10月のカフェ開催に向けての調整と個別訪問。
 個別訪問では、先日カフェを開催した際に、家族が津波の被害に会われた話を聴いていた方の元に、「手のひら地蔵」を持参しながら訪問に行きました。大切な家族の思いを分かち合って下さった3人の方にお会いでき手のひら地蔵も喜んでくれました。
基礎を組み立てて・・

台所をフローリングに

 昨日より、始まったHUGハウス三滝堂の改修工事。今日は、台所のフローリング張りと庭のデッキ作り。台所のフローリングは見事に出来上がり、本当に使いやすい台所に変わりました。庭のデッキ作りは、時折の雨と材料の加工に手間がかかりましたが、夕方には基礎部分が完成し作業も順調に進んでいるようです。材料の加工に難があったり思いがけない雨天に悩まされたりしながらも、それでも確実に仕上げていく工夫に感心です。「何とかなるさ」  とメンバーのお一人が話していましたが、まさに経験と自信に裏打ちされた「委ねる」なのでしょう・・・。今日のメンバーの昼食作りは、何時もカフェに行っている仮設住宅のお母さん2人が手伝いに来て下さいました。「あんたたちには、いっつも世話になっているから・・ね」と話しながらも、とても嬉しそう。
何かをしてもらうだけではなく、それぞれ自分が出来る力を持っておられ、その力を発揮できる関係になれる事が大切なんだろうと感じます。
昼食作りをするMさんとSさん

綺麗に仕上がった台所

  Mさん、Sさんありがとうございます。  アガペの皆さんも明日もよろしくお願いします。(記:宇根)


 


 




2012年9月24日月曜日

10月のカフェ調整


廻館仮設住宅の秋の風景

ようちゃんの友人と
今日は、カフェはなく個別訪問と10月のカフェ開催に向けての調整を行いました。午後からは、毎月行っているスタッフのケアのための日にも・・・心身ともにリフレッシュを取り戻す日でもありました。

 午前中の個別訪問は、以前に出会い、その時に「来て欲しい」と願っていた方への訪問。なかなか会いに行けない中、今日やっと訪問がかないました。長い間、待たにも関わらず訪問を喜んでくれました、忘れないを実行するのは難しいです。

廻舘仮設住宅で

韮の浜仮設内の東屋

 カフェ調整に行った仮設住宅は、廻舘仮設住宅、韮の浜仮設住宅。 廻舘仮設住宅で、すでに集まっていた方々にカフェ案内を行いました。韮の浜仮設では、日頃集まってくる東屋は雨天の為に使えず、集会室で集まって居た方々にカフェを紹介しました、3か月ぶりの開催ですが、住人の方々からは開催を喜ぶ声を聴けて嬉しかったです。両仮設とも10月のカフェ開催が楽しみです。

池田神父様とアガペの仲間達

夕食を囲んで

また、今日から池田神父様とアガペの仲間たち(7人)が三滝堂HUGハウスの改修のために、和歌山から来てくださいました。8月の改修の残りと庭のデッキ作りのためです。 今日は朝の5時に和歌山を出て13時間の長距離運転でしたが、元気に楽しく夕食を囲め、楽しい歓談のひと時も提供してくださいました。本当に感謝です。
 明日から、早速仕事に取り掛かってくださいます。また、このブログでも変わっていく三滝堂HUGハウスの様子も紹介していきたいと思います。(記:宇根)


2012年9月22日土曜日

おもちゃ図書館でのひと時


通信づくりin 三滝堂

おもちゃ図書館でのカフェ
日々の活動を支えて下さってくださっている方々に活動の報告を兼ねて通信を出していますが、今 5月以降の報告を兼ねた通信発行の準備が始まっています。 今日は、三滝堂HUGハウスで通信づくり。出来上がりをお待ちください。
オークの皆さん

おもちゃ図書館に
参加していた親子
午後からは、毎月行われている「おもちゃ図書館」でのカフェの提供を行いました。お彼岸という事もあって参加者は少なかったですが、穏やかな暖かい雰囲気の中で、子供も大人も良い時間を過ごせました。おもちゃ図書館には、オークのメンバー(大学生の寺子屋ボランティア)も参加しました。

 お彼岸を迎えた南三陸、残暑に悩まされてきたにも関わらず、昔の方々が言われていたようにお彼岸を迎えた頃から、急に気候が変わり始めたようです。もうすぐ秋本番・・・自然が豊かに実りをもって応えてくれるこの時期、悲しみや苦しみに疲れた心も癒されていきますように願います。(記:宇根)

   



2012年9月21日金曜日

大地の実り自然のいやし


  今日から3日間お彼岸のため地元スタッフはお休み。宇根はこれまで出会った方々に会うため釜石へ。堤は個別ケア。今日HUGハウスを訪れて下さったYさんはフレッシュブルーベリーを持ってきて下さいました。さまざまな苦しみの中にあってもいつもいたわりの心を示して下さるYさんに心から感謝いたします。


ホープシーズのテラさんは、ベンチの設置を終えて午後からはHUGハウス三滝堂の電気系統の配線の工事と蛍光灯の設置をして下さいました。ありがとうございます。

はじめて収穫したゴーヤ

家庭菜園を楽しむ

被災された多くの方が話されることに「何かをしていなければ気が変になる。」という思いを抱いています。それを和らげてくれるのが畑仕事という方がとても多いです。
何かをしていると変なことを考えずにすむ。土いじりしているときは集中しているのですべてを忘れられる。自然に触れたり土いじりしたりすることで気持ちが穏やかになる。野菜を育てたり、体を動かしたり、実りを楽しんでいる。収穫したものを誰かにあげたり、友だちや訪ねて来てくれた人にあげたりするのが楽しみ。などなど。人によって畑仕事の動機や目的、味わいは違いますが、畑仕事をしている方々は、元気で生き生きしているように見えます。

はじめてなったスイカにうれしそう

 9月初めに訪問したKさんも家庭菜園をしながら実りを楽しみワクワク感を味わっていました。その中でも少しずついやしの作業が行われているのだなあと感じました。大地の実り自然のいやしに感謝。(記:堤)
 





2012年9月20日木曜日

相手を尊ぶ事を学び続ける


山の神平仮設

仮設住宅でのカフェ風景

今日は山の神平仮設住宅でのカフェ開催。山の神平仮設には仮設住宅と福祉仮設住宅があるためスタッフも二つに分かれてカフェを行いました。 
福祉仮設住宅でのカフェ風景

 仮設住宅での出会いの中に、震災で変わってしまった思いを表現されない方との出会いがありました。話したくない程の思いを持っておられるのかもしれません・・・。話したいか、話したくないかを決めるのも本人です。その自由を尊重する向き合い方が、相手を尊び大事にする向き合い方なのだと思います。今日、話さない事を選び、それを正直に伝えてくれたSさん、ありがとうございました。この出会いを大切に刻みつつ、相手を尊ぶという事を更に学び続けたいと感じます。
福祉仮設住宅でのカフェ風景

 福祉仮設住宅でもいくつもの出会いがありました。震災での悲しい別れを聴いてほしいと願った方、自分の存在が「余分なもの」と感じておられる方・・・本当に一人一人違う叫びに寄り添う時間でした。自分の尊さを感じられないという叫びを抱いている方に、どう向き合い、どう関わりを持っていけるのか、今日頂いた大きな課題に感じます。・・・・じっくり考え、味わい、そして又会いに訪れたいと思います。

手のひら地蔵を
喜ぶTさん
町外のみなし仮設の前で

 午後には、個別訪問も行いました。町外のみなし仮設住宅、町内のみなし仮設住宅、そして町外の仮設住宅と別れて行動したスタッフもクタクタになって戻ってきました。長い時間をかけて、スタッフに話を聴いてもらえた事に、とても感謝されたとの事でした。


  今日で、高野山大学の皆さんのcome&see研修は最終日でした。カフェへの参加、その後は歌津地区への町ナビなどを行いました。地元スタッフが、亡くなった友人の想い出がある場所の町ナビをしてくださいました。想い出と共にたくさんの涙が溢れてきた時間もありました。それでも、スタッフは「これまで行こうと思うっていても行けなかった、今日は一緒にこれて手も合わせられて気持ちが楽になれた」と話してくれました。come&see研修時には、地元スタッフが町ナビをすると、自分の悲しみに向き合う事にもなります。それでも、それを研修を受けている方々が丁寧にしっかりと受け止めるので、ある意味悲しみを受け止めていく作業になって行くことにもなります。研修の対応をしながらも、自分たちのグリーフケアを同時に進めている・・・come&see研修の大事な一面なのです。地元スタッフの協力と力に心より感謝です。高野山大学の皆さんも、遠く離れた和歌山では知りえなかった被災地の状況に触れる事が出来たこと、地元の方々と心と心の触れないが出来た事にとても喜んでくださっていました。
 私たち、HUGハウスのメンバーも一緒に研修を共に過ごす中で、誠実さ・正直さ・役職や肩書ではなく人として向き合うことの尊さを学ばせて頂けたと思います。皆さん、ありがとうござました。(記:宇根)