2012年9月11日火曜日

別れの事実を腑に落とすことの難しさ


come&see研修風景

come&see研修での分かち合い

 今日は、大阪の「そうそうの杜」を通して桃山学院の大学生2人がcome&see研修として参加されました。カフェが午後の開催だったため、午前中の時間を使って研修を行いました。社会福祉を学んでいるお二人にとってこの研修は意義深かったようです。「しっかりとアイコンタクトしながら、ごまかしのない向き合い方でないと相手に届かないのを学んだ」「自分は話を最後まで聴けない、最後まで聴くことの大切さを学んだ」などの感想を分かち合ってくださいました。研修を通して、それぞれ大切な気づきの機会になったのではないでしょうか。

 
部屋を回って呼びかけ
午後は、童子下仮設住宅でのカフェ開催しましたが、今日の参加者は2人。各戸を回って呼びかけも行いましたが、留守や昼寝など、都合が合わなかったようです。それでも、
カフェ風景
例え少なくとも、利用してくれる人を大切にする為に、どうしたら喜んで帰っていただけるかをスタッフも苦慮しながら一生懸命でした。カフェに参加したお二人は、震災直後の生々しい体験を話してくださいましたが、帰り際に「ああ、話した、ああ、気持ち良かった」という感想を伝えてくれたのも、一緒に集えた皆が集中して聴けたためでないでしょうか。何とか今日のカフェを終わらせることは出来たという安心感と、集まった方々の人数に合わせてどう工夫したらいのか、今後も課題として考えさせられる機会頂いたのかもしれません。

作業しているビーンズ
クラブへ出前カフェ

今朝採れたての枝豆

  このカフェを午後に開いている理由の一つは、地域で野菜を作っている「ビーンズクラブ」の方々が利用できる為でもあります。今日は枝豆の収穫作業でカフェには参加は出来ないとの事なので、カフェの合間をみて、作業している近くの民家にコーヒーのデリバリーを行いました。皆さん、とても喜ばれたのは嬉しかったです。一緒に参加したcome&see研修の大学生も現地の収穫した枝豆を「もぐ」作業にも加わらせて頂き良い経験が出来たようです。「ビーンズクラブ」の皆さん、ありがとうございました。
 
カフェ参加者のお二人と
 カフェのない午前中、スタッフは別れて個別訪問を行いました。
 来週のカフェ案内で訪れた仮設では、津波で流された家族が1年余り見つからのない苦しさ、見つかっても本人であるという判別までの長い時間、さらなる苦悩があったなどを分かち合って下さった方がおられました。本人であるという事が分かった後に訪れた安堵感は大きかったようです、本当に自分たちの元に帰ってきてくれたという実感だったのでしょうまだまだ大切な家族が見つからない方々が多くいます。家族との別れを、本当に受け止め・認め・腑に落とせるという心の整理の難しいことか・・・そして、その悲しみに向き合うことが、如何に難しいことか・・・。

自衛隊が見つけてくれたカメさん

 別のスタッフたちが訪れた先で出会ったのは、今は、仕事もなく生活の不安が出て来た60代前半の男性。それでも、その方にとっての力になる存在が居たようです・・・それは、津波で何も かも流され諦めかけてた時に、1週間後にを瓦礫の中から自衛隊さんに見つけていただけた、ペットの亀です。
 歩みはゆっくりですが、きっと亀さんと共に次なる一歩が踏み出せますように、心より願います。
(記:宇根)

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