2012年8月7日火曜日

人間の魂の不思議さ

今日の午前中、HUGハウスにこられた可愛いお客様。お友達(?)の小さな白いカエルと共に、きてくださいました。
子どもの無邪気な姿と接していると、自分が「優しくなり、笑顔で見つめ、その子に関心を寄せます」。この姿勢をもって、人と関わることの大切さに気付かせて下さる存在です。

『菊農業』が忙しくなったみよちゃんですが、これまで訪問やカフェで出会った方に、いつも心を寄せて下さっています。
お盆が近づき、「お花を届けてあげたい」と、心に留めて下さっていても、なかなかこれまでのように出かけて行くことができません。カフェ案内の時に差し上げてほしいと、『小菊』の束をお預かりしました。

午後からは『名足仮設』へカフェ開催のご案内に伺いました。
お預かりした『小菊』をお渡しした際、「こうして会っていなくても、思ってくれる人がいるんだね・・ほんとありがたいことったぁ。ほんとみなさんに励まされるよね・・」と、とても喜んでおられました。
みよちゃんが差し出して下さった心を、皆さんしっかりと受け止めてくださっていました!

今日の出会いでは、津波で家が流され、車はガレキの下敷きでつぶれていましたが、仏壇に飾られていた「この遺影と(ご主人の)退職祝いで頂いた記念の花瓶が、つぶれた車の中から無傷で発見されたの」と、お話下さいました。仏壇が置いてある部屋は、駐車スペースの横だったそうですが、とても不思議な出来事です。
泥まみれになっていただけで、ガラスも割れていなかった無傷の遺影が、新築の家の仏壇の上に飾られ、ご家族を見つめていました。
また、退職日に次女が映した二枚の写真だけが、震災後数週間してから見つかりました。この写真も、ご主人のところだけがきれいに残っており、周りは溶けています。
「遺影といい・・この写真といい・・とても不思議。守られているんだなと思った。苦労が多かったけど、この人と結婚して良かったんだと思う」と、ご苦労が多かった結婚生活を振り返られ呟かれました。
今ある世界から旅立っていながらも、大切な人を守ろうとする、人間の魂の不思議さを味わいます。

神戸の『HUGハウス』のお引っ越し。
空っぽになった神戸HUGハウス
ブログ(7月8日HUGハウス代表堤からの報告参照)でもお知らせしていましたが、HUGハウスの第二拠点として、三滝堂に民家をお借りしました。
それに伴い、神戸の拠点を引き払い、全ての荷物を三滝堂に移し、現在、室内を整える作業を行っています。

17年住まいした、神戸の拠点にも多くの方が訪れ、そこでの関わり(心のケア)によって「自分を見つめ、ほんものの自分を発見し、自分らしく人生を生きはじめた」沢山の人々がおられます。
これからは、神戸での関わりを継続しつつも、ここの土地の人々とともに歩んでいきます。
震災によって、負ってしまった傷、人生の中で負ってしまった傷。そのどちらも、回復するまでにはとても時間を要します。
人の心が癒され、癒された心を持つ人によって、地上に愛が広がっていきます。それを信じて、田尻畑同様に第二拠点を活用しながら、関わりの輪を広げていきたいと思っています。
多くの人がこの景色を見ながら
自分と向き合ってきました

*神戸市内が一望できる高台に構えていた神戸HUGハウス。バスを降りてから急な坂道を登りやっとの思いでたどり着く場所でもありました。

悩みを抱え歩く到達地点までの急な坂道を、一歩一歩登っていくうちに「たいていのことは、どうでもよくなります」。この過酷な坂道を「向き合い坂」と勝手に名付けていますが、急な斜面の過酷さは、本当に大切な事柄を明確にしてくれる不思議な坂道でした。

(記:マドフォ)

2 件のコメント:

  1. 神戸の拠点がなくなるんですね。
    とすると、しばらくは南三陸にいるということでしょうか。
    皆さんのような活動はできませんが、
    いつか三滝堂を訪ねに行きたいです。

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    1. しばらく南三陸にいるというよりも・・住民票ごと移ってきます!再会の時を楽しみにしておりまぁ~す!!

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