2012年10月31日水曜日

スタッフ同士で支え合える関係へ



町ナビをする、るみちゃん
町ナビをするえみちゃん
 今日、午後から地元スタッフのるみちゃん・えみちゃんはcome&see研修の渡部さんに、町ナビを行いました。天気は荒れ模様で、町の中は冠水している場所も多く、水浸しになった町を案内する結果になってしまいました。町ナビ終了後のミーティングでは、参加した渡部さんは涙ながらに「胸が詰まって・・」と感想を分かち合って下さいました。るみちゃんも、「自分の家があった所が水浸しになっている様子を見て寂しくなってしまった」と自分の正直な気持ちを分かち合ってくれ、えみちゃんも、我慢していた気持ちが溢れ出しました・・・次第に今の思いを伝えあううちに涙があふれ出したスタッフ。ミーティングはいつしか相手の苦労を労いながら涙しながらHUGし合う場面に・・・。

町ナビ研修の渡部さん
 いつも頑張って町ナビをしたり、カフェで出会いを作っては話を聴いたり、相手の辛い話に真剣に向き合ったり、個別訪問で勇気を出しては訪ねて行ったり・・そんな毎日を送っているスタッフ自身にもいろいろな思いが交差しているのでしょう・・・本当にご苦労様です。研修を通して互いに分かち合っては互いを知り受け止め合える関係を築いてけるようにしていますが、本当にこの仲間同士が許しあい認め合い、大切にしていける関係を生きられる仲間に成長していく必要を強く感じます。


カフェ開催の名足仮設住宅

食べ物と一緒に待っていてくれます

今日のカフェは、歌津地域の名足仮設住宅で開催。毎週水曜日にご自分たちで行っているお茶会の最後の水曜日が、私たちHUGハウスのカフェの機会です。毎週の集いで顔を合わせている皆さんが、私たちをお迎えしてくださっている、そんな形のカフェなのです。私たちが訪れると、すでに輪になっていて食卓が準備されています。今日も、美味しい食事も並んでいて、大変おいしい食事を頂いたと思います、本当に有りがたいと思いました。
皆さんの輪の中に入って

渡部さんも思わず舌鼓・・

 その後、「心のケアのためのカフェ」に場を変えるために、輪の中に入らせてもらい、廻りの話を聴けるように努めてみました・・・ すると、個別の話をする方だけでなく、輪になっている状況で内面を分かち合ったりするグループになったりと、雰囲気が出来上がっていきました。震災時の怖かった思いを個別に話す方、津波で大切なものを失ってしまったけど生きなきゃと思う事で踏ん切りをつけようと思っていると皆に分かち合って下さった方、流された家族への思いを泣きながらも個別に話してくださった方・・・、時間が終わるまで本当に大切な思いを互いに分かち合い聴きあえたように感じました。分かち合ってくださった皆さん、聴いてくださった皆さん、本当に有難うございました。

個人的にしっかりと聴いて

最後に皆さんと記念に
また、スタッフはカフェ以外にも個別訪問チームに分かれて仮設内と仮設の周囲の家を歩き声をかけながらも出会いを探しました。談話室には行きたくない、いけない・・・そのような方も居られるのも現状です。そのような方の必要に答えていくための工夫は大きな課題だと思います。今日は、3家族に訪問を行えました。今後もいろいろ工夫を重ねていきたいと思います。(記:宇根)




  

2012年10月30日火曜日

不思議さを味わう


嶋田ご夫妻

高台から町を望んで・・

津波の被害の大きさを目の当たりに

 今日は、突然の嬉しい訪問がありました。神戸の中央教会で一緒に活動をしていた懐かしい仲間の嶋田ご夫妻です。「会えても会えなくても取り敢えず来てみた・・」とご夫妻。バスから町に降り立ったものの、右も左も解らない中、声をかけた地元の人がハグちゃんの避難所からの知り合いで、連絡まで取ってくれて会えたのです。もしその人に会っていなかったら・・・と考えると、この縁も不思議な導きを感じる経験でした。午後から、ご夫妻と一緒に町ナビを行いました。嶋田さんの感想は、「まだまだ被災地の復興が進まない現実に触れ苛立ちさえ覚える」でした。町の状況に身近に触れた経験を是非、神戸に戻られてからも多くの人に分かち合って頂けたらと思います。


訪問した仮設
  今日は地元スタッフは、るみちゃんとようちゃん。カフェ開催がなく、午前と午後はカフェ調整をしながらの個別訪問を行いました。おしょうさんも、午前中は個別訪問。 
訪問先で出会ったMさん

 るみちゃん、ようちゃんは訪問先でMさんに出会いました。訪問を涙ながらに喜んでくれたMさん。一人で過ごしているよりも誰かが傍にいることの暖かさを実感したようです。傍に居て嬉しい存在になる・・・そのような役割を個別の訪問先で生きられたらいいと実感します。

come&see研修の渡部さん
 おしょうさんが、訪問先で出会ったFさん。ご主人が震災後に突然、旅立たれました。そのご主人の遺影に向かって、文句を言い、感謝を言い、そしてこれかも守っていてほしいと願いも言い・・・。Fさんの話を聴いている内に、旅立ったご主人の存在を感じる感覚になりました。人の命の不思議さを味わえた時間でした。

 今日から、come&see研修に、東京から渡部さんが来所。明日から、活動に参加します。渡部さんが、南三陸に来るきっかけを作ったのが、以前訪問のあった高野山大学の方でした・・・人と人が繋がる不思議さを感じます。明日からの活動が、よき学びになりますように。(記:宇根)

2012年10月29日月曜日

ホスピタリティなセンスで訪問し内面に触れる・出会う

いつもは外のベンチで集まる顔なじみ
港仮設でのカフェの風景
今日のカフェは歌津地区にある港仮設住宅で開催しました。南三陸の一番東側の仮設で気仙沼に近いところです。 はじめのころはスタッフも少ないし一番遠いため支援は難しいかなとあきらめていた地域でした。しばらくはニーズ調査のみで終わっていたところですが、新しいスタッフが訪問し出会いがあり心のケアのためのカフェを希望されたことにより「ケアカフェ心香」がスタートしました。この地域では震災で亡くなった方はおられないと言う事ですが、それでもさまざまな課題を抱えていたり、スピリチュアルな痛みがあることを知ることができます。今日も心のケアのためのワンポイント学習からはじめ、お一人お一人の内面に触れさせていただきました。心から感謝いたします。
季節外れのかわいいゴーヤ

寒さの中でも元気な植物たち
訪問を終えた地元スタッフ  出会いをていねいに振り返る
 午後からは来週以降に開催されるところへの「カフェ案内」をしました。案内に廻る中でも出会いはたくさんあります。中には「カフェには参加したことはない。」とか「(あることを知っていても)カフェには参加しない。」と話す方に出会います。それでも声をかけるとうれしそうに応対して下さったり、話が止まらないほどだったり様々です。素直に言葉や態度に表さなくても「愛されたい」「大切にしてほしい」「関心をもってほしい」「認めてほしい」そのような欲求は誰でも心の中に持っているものです。

地元スタッフは、出会いやほんのちょっとしたきっかけで心の扉を開いたり内面に触れることができることを、体験を通して知っています。ですから、カフェ案内も機械的ではなく、常にホスピタリティなセンスをもって訪問をし丁寧な関わりを持って下さっていることにとてもうれしく思っています。
言葉にはのせられない魂の叫びや言葉の奥にあるメッセージを一生懸命汲み取ろうとする真摯な姿勢に誇りに思い日々感謝しています。地元スタッフで支え合える関係も目指し活動を続けています。これからもどうぞご支援・お祈りをよろしくお願いいたします。(記:堤)

2012年10月27日土曜日

素直にさせてくれる子供たち


玩具で遊ぶ子供たち

おもちゃ図書館の風景

今日は、毎月定例で行われてる「おもちゃ図書館」でのカフェ提供の日でした。おもちゃ図書館は、障がいを持つこどもと親の会で入谷の公民館で午後から行われています。


大勢から離れて遊ぶ子の傍で

お茶タイムにカフェ開催
 私たちHUGハウスは、午後の1:30頃から合流。カフェの準備の後は、子供たちと一緒に遊んで過ごしました。 それぞれの子供たちは自分のペースで遊びます。幾つもの玩具が準備されていて、本当に楽しそうに遊ぶ姿の傍にいるだけで、素直にさせていただけるようでした。参加したお母さんは、「こんなに遊べる場所があるのが嬉しい」との感想を聴きましたが、こちらこそ、こんなに一緒に素直に時間を過ごせる場所があって嬉しいと思いました。(記:宇根)
 
 




2012年10月26日金曜日

come&seeで触れた美しい町と人


神割崎を見学

美しい三陸の海
今日は、come&see研修の最終日。午前中、スタッフと共に、神割崎の見学と、神割崎仮設住宅への訪問を行いました。研修の一人、土屋さんは前日も他のスタッフと見学に来ていましたが、今日の神割崎の海の表情に違いを感じたようです。今日の海はとても美しかったです。スタッフのすみちゃんは、南三陸の美しい場所も見てほしいとの願いから、今日のコースを考えていたようです。お二人とも、美しい海にとても喜ばれていました。
新鮮な海の幸を

神割崎仮設住宅の方々と

 また、近くの神割崎仮設住宅にも立ち寄りましたが、集まっていた住人の方々に受け入れてくださり、被害に会われたにも関わらずに前向きに思いを変えようとする気持ちにも触れることが出来たと思います。最後に、再開した魚市場により見学させていただきました。豊かな海の幸に、この地の豊かさをさらに味わえました。

お別れの前にHUG
 震災の被害と悲しい経験の詰まった町や人だけでなく、こういう「自然の豊かさと人間の強さを持つ南三陸も忘れないで欲しい!」と伝えたかったスタッフの思いを、忘れないで生きて欲しいと願います。土屋さん、松村さん、ご苦労さま、そしてありがとうございました。
 
講座内容
夕方より、宇根は仙台で行われる「悲嘆講座」に出席しました。連続講座で、今日は「家族が行方不明になった時」という内容での講座。特に印象深かったのは、行方不明になっている家族の感じる喪失感には、『あいまいな喪失』があるという事でした。日頃出会う方々の中にも、この苦しみに心痛めている方も大勢居られるだけに、この心の痛みについては、とても身近に感じ理解を持つ必要性を感じました。
 今後も、HUGハウスとしても学びを続けて行きながら、町の方々のニーズに応えていける存在になっていきたいと願います(記:宇根)





2012年10月25日木曜日

HUGが一番嬉しい


 
名札を作ってcome&seaの準備
 
久しぶりの再会

今日のカフェはスタッフの人数が多かったため 2グループに分かれて行いました。
カフェの様子
枡沢仮設ではいつものようにワンポイント学習を行い、come&seaで来られた土屋さんと松村さんも一緒に参加しひと時を過ごしました。
枡沢仮設でのワンポイント学習
ある女性は「今日は心のケアをしてもらってとっても嬉しかった。」と話してくださり、何が一番嬉しかったのかと尋ねると「HUGが一番嬉しかった」と教えてくださいました。嬉しかった思いを伝えて下さってありがとうございます。 
HUGでまた会いましょう

HUGで出会いに感謝
   
HUGが一番うれしかった

終わりにはみんなでHUGしてお別れしましたが、最後まで手を振って見送ってくださいました。ワンポイント学習では、「心のケアはHUGから始まります。傾聴はHUGすること。他者を愛する事、自分を愛することですと、何度も何度も繰り返します。これからもH UGの心を大切にしながら一緒にいやしの歩みをしていきたいと思います。  
韮の浜でのサプライズカフェ
   

 
 
come&sea スタッフと記念撮影
 
come&sea戸倉中学


土屋さん作 だらだらネコちゃん
 
 韮の浜でのサプライズカフェは訪問した時に丁度東屋に住民の方々が集まっておりそこで一緒に過ごしました。インスタントではないコーヒーを久しぶりにのんだと喜ばれ、あたたかい雰囲気でした。

 午後はcome&seaのお二人のための町ナビ。地元スタッフが二手に分かれて案内をしてくださいました。町の様子や風景、また仮設にも立ち寄りサプライズの出会いも地元スタッフならではの工夫と配慮です。自分たちの被災体験も分かち合う時間にもなり深みのあるcome&seaをありがとうございます。



 

 






come&seaさんさん商店街



2012年10月24日水曜日

地元人材のひろがり


ゆうちゃん、左から2人目

中学校より南三陸町を見下ろす
 地元住民の「ゆうちゃん」が、今日からボランティアで参加しています。今日は、初めてのカフェ、午後からは地元スタッフと一緒に仮設訪問に同行しました。
  現在、HUGハウスのメンバーは7人中、5人が地元スタッフです。県外から来るボランティア頼みでは、長期の活動は難しいと思います。それに、「心のケア」について地元のニーズに応えながら、必要な関わりを模索していくには、どうしても地元人材が必要です。また、「心のケア」について感心のある地元人材が増え育つことで、互いに支え合える地域になっていけるのかもしれません。自分のケアをしながら、他者の心のケアを一緒に考えるというHUGハウスの人材育成・・・時間がかかりますが、一人ずつ自分の歩みを大切にしながら共に歩んで行けるようになっていきたいと思います。
カフェ風景
「ゆうちゃん」、今後も自分のペースを大事にしながら、共に学びつつ歩んで行けたら嬉しいです。

ワンポイント学習風景
 今日のカフェは、南三陸町内の高台にある志津川中学校で開催しました。戸数は100戸近くある大きな仮設住宅です。地元スタッフの一人が生活している仮設住宅であるため、多くの方々との繋がりが、とてもスムーズでした。これも、地元人材ならではの事と思います。今日の参加者は19人。下は1歳から上は90歳近い方まで・・本当に人生の豊かな場面を垣間見ながらのカフェだったと思います。

カフェ風景
 あるスタッフは、知人との再会がありました。その知人は「自分も波にのまれてしまい、隣にいた家族が流されてしまった・・」そうです。家族が流されてしまった事実を知らなかったスタッフは驚きでした・・・。それでも、話を最後まで逃げずに丁寧に耳を傾け続けたスタッフに頭が下がります。このような出会いを頂きつつ、自分自身の成長へも繋げていけるようになれると良いなと実感しました。

ホットケーキを頂き・・


 午後からは、戸倉地区の仮設住宅、歌津地区の仮設住宅へとスタッフは個別訪問。
Aさんと
訪問のスナップ写真を紹介します。

come&see研修のお二人
 また、今日come&see研修に、東京から土屋さん、鹿児島から松村さんが来所しました。今日から、2泊3日の研修で、明日はカフェや町ナビが行われる予定です。お二人にとって、よき出会いと学びになり、「南三陸の町の方々を忘れない・・・」経験が出来ますように願います。