2013年10月31日木曜日

アリーナカフェ~part4~新たな出会い

天気に恵まれて・・・
 今日は、アリーナカフェの日。
天気はまずまずの晴れ、途中雲が出て少し肌寒い時間帯があったり撤収時には小雨がぱらつく時もありましたが、すぐに晴れ間も出て終日、天候に恵まれたように感じます。

アリーナカフェは今日で4回目になります。
法テラスからも・・
これまでの3回とも曜日を変えて実施しアリーナ周辺に来られる方のいろいろな方に出会える工夫をしてきましたが、今日もこれまでの曜日とは違って、新しい出会いの時間を持つことが出来ました。

 特に近隣の幼稚園から、可愛いい子供たちの訪問、近くで法律相談を行っている法テラスの職員とカウンセリングの支援を行っている方の訪問、そして同じく近くで作業をしている作業所の皆さんの訪問・・・などがありとても賑やかでした。
 
 利用者の数は、46人を数えましたが、毎回違った方々に出会えるのは、HUGハウスの活動や心のケアへの意識が広がっていく良い機会にもなっているのではないかと考えます。
ハロウインの可愛い訪問者

 幼稚園の子供たちは、ハローウインの格好をして訪ねてくれました。「おかしがないと、いたずらしちゃうぞ・・・」とのカワイイ声と姿にに利用していた方や私達スタッフが癒されたのかもしれません。みなさん、ありがとうございました。

子供達と記念に
また作業所から見えた方々との出会いでは、「話が出来る場所や人があるというのを喜ばれていました・・・、何時まででも居たいという姿を見ていると、嬉しくなりました」(地元スタッフ:ようちゃん)という感想がありました。作業所の皆さんは、志津川高校が避難所の時に、始めて「ケアカフェ心香」を高校のローカでスタートした時にも利用された聞き、とても懐かしく思いました。心休まる場所を探してカフェに来ました・・・と話していた指導員さんの期待に今後もカフェや出会いを大切にしたいと思いました。

想いを語りつつ過ごす

他にも、今日もいろいろな場所に住む方々との出会いがありました。歌津に住んでおられる方や、隣町の仮設から来ている方、みなし仮設住宅から休日の時間を見つけて訪問してくれた方・・・年齢も若い方から高齢者まで幅広い年齢層の方が来られていました。

 このような出会いは、平日の仮設住宅への訪問だけでは適わないものです、そう思えばこの場所でのカフェ開催の意味はやはり大きいなと感じます。地元スタッフのゆうちゃんは、「これまで出会えていなかった役場の人にも出会い、このカフェの説明をする事ができるのは有意義だと思う」(ゆうちゃん)という感想には、まったく同感です。

またスタッフのるみちゃんも「今日、出会った方が、震災で親友を亡くされた話をされて寂しい想いを話してくれたのは良かった。もっといろいろの想いを語れる機会にもなれたら」(るみちゃん)と感想を話していましたが、本当に多くの方々にとって重荷を下ろせる時間や出会いを提供できるなれたらと期待したいもです。(記;宇根)

2013年10月30日水曜日

仮設の定期訪問


真剣な表情で習うスタッフ
HUGハウスから、パソコン操作を要求されている地元スタッフは、午後の半日を使って、必要な書類の印刷や、今日の出会いのコメント書きの練習をしてみました。文字の打ちこみの作業を開始すると、早速打ちだされたのは…

「本日辛いワードの打ち込みに苦戦中 仕事ですから頑張ります。」

思うようにキーがたたけないだけでなく、作る文章の内容にも気を使わなければならないことが分かり、全身の力が入ります。しかし文字位置や変換の方法が分かってくると、文章が出来上がってきました。タイトルも含め、以下、本日の成果です。

 

I仮設で見せていただいた、親指ほどの柿。
珍しいので写真を撮らせていただきました。
「六名のお茶会に参加させて頂いた。

煮物、漬物をご馳走になりながら話を聞かせて頂きました。

若い頃、嫁に来た頃の事とか沢山、話された。『あの頃はみんな苦労したんだよ』

『みんな良く働いたんだよ』と、口をそろえて言ってました。


その言葉に力強さを感じた。」(記:すみちゃん)

 

「私たちが伺った時には、すでにお茶会は始まっていて、どうぞと快く迎えて頂きました。」

(会話の中に、こんな言葉が出てきました。)


Aさん:『俺は馬に鹿だ。』Bさん:『馬鹿?! でも馬鹿はぼんくらよりましだ。』

さっきまで、重たい話をしてたのに、二人は ケラケラ笑いだした。楽しい不思議なひとときだった。」(記:けいちゃん)

 

別の仮設を個別で訪問したスタッフ二人は、丁度集会場に集まる方々に交じり、お話を聞かせていただきました。
仮設集会場にて

「私たちの訪問に笑顔で『おじゃっこ飲みすっぺし』と3人の方が集まってくださいました。突然の訪問であるにもかかわらず、ありがとうございます。

今日の心に残った言葉は『怒るより笑いましょう』、とても素敵なメッセージを頂きました。いつも出会いは今の自分に必要な言葉を頂く気がしています。人生の先輩に感謝するひと 時です。」(記:ゆうちゃん)

 
パソコン教室を終え、
ホッとするスタッフ。
お疲れさまでした(^O^)/


今日の出会い、思いがこのように文字になると、出会った時とはまた少し違う味わいが出てくる場合があります。書いてみると、当時の印象的な言葉がさらにハイライトされること、後から気付くこと、浮かび上がってくること…様々な気付きがあります。この気付きによって、出会った双方の心が深められていく良い体験になりやすいです。

今日の出会いでいただきました「力強い言葉」「不思議な時」「怒るより笑いましょう」が

心で輝いています。(記:林)
 
 
 

2013年10月29日火曜日

互を大切にしあえる関係に為に~守秘義務~

抹茶・・・
作法を学びつつ・・
朝の活動の初めのミーティングを行った大雄寺で、抹茶の素敵なおもてなしがありました。作法も分からない私達HUGハウスの為に、お寺のMさんが作法の解説までしてくださいました。朝の凛とした空気が流れる本堂の側で頂く抹茶とおもてなしが、こころまでしみてきました。


今日、南三陸町の学校ではある避難訓練が行われました。
 それは、学校に通う児童生徒の保護者の避難訓練でした。学校にいる児童生徒を保護者が迎えにくる訓練のようです。「児童生徒の迎え」を訓練をしないといけない?と考えてしまいますが、震災当時、子供を守ろうとする学校側と保護者との間にはいろいろな出来事や課題があったようです。そのためにも、日頃から事態を想定して行動を行うことで課題を浮き彫りにし、より安全で安心な行動が取れるように訓練するのだと思います。
 二度と同じ事が起きない事を願いたいものですが、余震が続くこの被災地では何時また大きな地震が来るか分からない日々です。それだけに、大きな「不安」に生きている日々が続いているのかもしれません・・・ついつい記憶が薄れていく中だけに、意識を持ち続けていかなければという思いがひしひしと伝わってきます。

学習風景

 今日は、入谷地区の仮設住宅での「ケアカフェ心香」の開催でした。世話役をしてくださった男性は、カフェの開催のチラシを全戸に配ったようです。仮設間で、誰に配った配っていない・・・等の不平等さが出ないように心配るのも大変なようです。

参加者は、全員で9人。今日は、キャンピングカー(マッシュ)も出動。集会所の中だけでなく、必要あればプライバシーが守れる空間としても利用できるように配慮しての開催でした。以前、cocoタイム(ココタイム)で三滝堂HUGハウスにも来たことのある方も出席されており、既に顔見知りも多く安心した雰囲気の中でのカフェの時間でした。

チラシを見ながら・・
カフェの最初にチラシを配り以前にも行った事のある「心のケアのミニ学習」を行い、参加者とスタッフ全員で確認をしました。この「ミニ学習」では、心の回復や自己実現に向けて互いに守るべきことや目指すべきこと等を記しています。
 今日のミニ学習では特に「守秘義務」という項目について多くの方々が関心を持たれたようでした。お互の大切な心の想いを丁寧に受け止める為には、大事な話を信頼して話してくれた方の信頼を裏切らないこと・・・。また、話した内容を噂話のように広げていかない事などが本当に大事になってきます。今日出会った方々は、小さな仮設間での暮らしの中に、あるいは小さな地域という暮らしの中に様々な生きずらさを感じているのかもしれません。一人ひとりの意識が変わるは当然ですが、地域の中に互を大切にする意識が増えていくためにも、意識ある人が一人一人増えていけたらと切に願います。
COCOタイムの企画

 カフェ終了後に、以前cocoタイムに主席された方々から、今度は三滝堂HUGハウスの近くの蕎麦屋さん巡りと合わせたcocoタイムの希望があり、早速自主的に企画を始め日程の調整まで済ませる事が出来ました。自分たちで企画してゆくためにもコミュニケーションや互への配慮を使います、cocoタイムの実施が良き学びの機会にもなっていくものと期待したいです。


研修準備をするスタッフ
午後の活動は、個別訪問と11月の研修会の準備を行いました。研修会の準備では、日頃それぞれが関わっている方の中から学びとして考えたい関わりをまとめる作業です。その日その日の出会いを記録したり自分を振り返ったりという機会はありますが、出会いを客観的にまとめたりアセスメントしたりするのは始めて。地元スタッフは苦戦しながらも、準備をする時間を通して、問題の見方や違った観点から見直したり、出会いへの努力を再認識したり・・・、良き時間と機会になったようです。
(記:宇根)








2013年10月28日月曜日

傍らに寄り添う

「私はね、歌が好きなのさ。家では歌うかって?歌わないよ、だって聴いてくれる人が居ないからさ。歌を聴いてくれる人がいるから、歌えるのさ。」
 
あるデイサービスを訪問した時に、こう話してくれた80代の男性がおられました。たいそう歌が好きで、本人は歌という歌はなんでも好きで、何曲も歌えると嬉しそうに話してくれました。持参した歌の本を引っ張り出して、瞬く間に3曲も披露してくれました。本当に好きなんだ!という思いが伝わってきました。
 「聴いてくれる人がいるから、歌えるんだ」と言われることは、傾聴に通じるものがあります。本当に聴いてくれる人が居ないと、内面の様々な想い、調べを口に出せないのと同じだと思いました。聴いてくれる人、自分の事を気にかけてくれる人の存在があることは、人を活かすことに繋がるんだろうと実感します。

 一方、歌を披露してくれた男性の近くに座っておられた女性は、「私はね、ひとりぼっちなのさ・・・誰も居ない。相手が居なくなってしまった。相手がいないということは寂しいものだよ・・・、もう早く逝ってもいいくらい・・・人は相手が居なくなったら、おしまいだね」と寂しい想いを抱いておられました。周りで歌を聞いてもらえる人に、自分が受け止められていると感じているのとはまったく違う感じ方をされているんだと思いました・・・「こうして人がいっぱいいても、一人ぼっちさ」と涙を流されるその方の寂しい想いに、その傍らで静かに寄り添わせてもらいました。


今日の活動は、志津川地区の老人施設への訪問でした。
施設へ訪問
施設内のデーサービスと入所エリアを、スタッフ5人で別れて訪問を行いました。多くの方々が利用されており、またデイサービスに出席している方も多いために出会いも豊かです。

活動と出会いの報告を地元スタッフの感想と併せて下記に・・・。
「親をちゃんと最後まで面倒を見るという事が大切だという事を教えてもらったように感じます」と感想を抱いたのは、地元スタッフの「ようちゃん」。ようちゃんが出会った方は、苦労させられた姑の面倒を最後まで見た時に、ありがとうという言葉ですべてが報われた・・・と話してくれた方。その想いを受けて自分の親の面倒を考えさせられたようです。
帰りに利用者が育てた野菜を購入

「今日も、また同じ話し・・・孫の話から始まり、震災で流された話し、そして流された嫁の話し。今日の同じ話しだなって思ったけど、話の前に深呼吸して、同じ話でもちゃんと受け止め得られるように意識した」と話したのは地元スタッフの「すみちゃん」でした。出会う方が例え同じ話でも、一期一会で大切に受け止めようとする努力が伝わってきます。

「今日も、部屋に入って声をかけましたけど、反応がありませんでした。・・・自分の無力さを感じます」と感想を持ったのが、地元スタッフの「けいちゃん」。ベッドに横になったままで会話ができるかわからない方。それでも、たった一度、名前を口にしてくれたことがあり、それ以来反応があるか無いかに関わらず声かけを続けているようです。今日も感じる無力さは、大きな学びの機会になるでしょう。


午後からは、個別訪問を行いました。
訪問先での出会い
★一ヶ月前に家族が旅立った方のもとへ、・・・「なんだか、ぽっかり穴が空いてしまったみたい」とこぼされていました。ぽっかり空いた空いた穴を埋める歩が時間と共に進んでいき、そこに共に居させてもらえる存在になれることを願いたいものです。
★アリーナでのカフェの時に、自分の想いを語られていた方を訪ねました。次回、行われるスタッフ研修に興味を持たれていたので、お誘いしをしました。カウンセリングや傾聴に興味があるようでしたので、意識ある方と繋がる機会が増えるのを嬉しく思いました。

(記;宇根)






2013年10月25日金曜日

町民のまなざし

本日のカフェは、さながら芋煮会となりました。

豚汁にお漬物、サラダにはんぺい、かぼちゃ入り赤飯。お菓子も添えられています。
集まった方々の関心



は、目下選挙。選挙期間中だからこそ傾けられる耳に、震災での想いを訴えたいという住民の声が飛び交いました。
中には、町外から来たスタッフでは分からないようなまなざし、感覚もありました。

「町全体で亡くなられた方への供養塔がほしい。」
特定の建物とその前にある供養の品々では、住民にとって町のシンボルにならないようです…。
想いが入ったお赤飯

「震災当時、○○館で必死になって救助を手伝った方々に感謝状を送ってあげたい。」
自分の身の危険を伴いながらでも、何十人もの住民を助けることができた体験は、今やその方にとっての誇りです。

「町をつかさどる人々に、仮設回りをして声をかけて欲しい。」
町を代表する人々への尊敬と存在の大きさ、期待が伺えます。
同時に、自分の力ではコントロールの効かない現実にもどかしさがにじみ出ます。

町民であるという意識が高いからこそ、ここでの存在認識がほしいし、何より大切にされたいという思いが表れているのではないでしょうか。
ある方にとっては、震災で亡くなられたかた、震災で助かった方々を思い、黒ごまの入った赤飯を炊いて振舞ってくださったかたがありました。この赤飯はもともと、ある会合で自分の気持ちを訴えるために、炊いたもの。想いを料理に託していきます。

傾聴では変えることが出来ない今の現実。
「家族療法とグリーフ」研修会を紹介するHUGさん。
しかし、傾聴によってその方お一人お一人に変える力があるという認識を得ることができるかもしれません。住民の気持ちは、汲み取られ、誰かに夢を実現してもらうものではなく、自らが自分の気持ちや想いに向き合い、責任を持って自ら応えていく、行動していく、積極的なあり方が問われるのかもしれません。

どんなケアがこの町にとって今必要か…模索は続きます。
 午後からは、スタッフ同士で熱い議論を交わしながら、来月の調整などを行っていました。自らの心のケアが当たり前の世の中になることを夢見ながら…(記:林)

2013年10月24日木曜日

「3人でおいで下さいました。ありがとうございます。」

K施設、Hさんにとって、被災当日は常に「今」です。

訪れるスタッフに「雪でたいへんだったでしょう。」と震災当時の天気を思い、気遣って声を掛けます。時間は止まったまま。家族とも事情があって会えません。事情をよく理解していないHさんはただひたずら家族の迎えを待つだけです。

分からない日々を祈りで紡ぎます。

毎日毎日、「神さま、ありがとうございました。」「今日もありがとうございました。」と。

訪問に出かけた地元スタッフがレポートしてくれました。


「今日は、となりの登米市にある老人福祉施設におられるお婆さんに会いに行きました。周りにいる方々はとても親切に優しく接してもらいありがたい。でも、胸に手を当てて

ここが苦しくなるくらい切なくなると『家に帰りたい、帰りたい』と訴えます。

何ともいえず、ただ頷くしかなかった。

寂しいね。

毎月訪ねては、手を合わせて『ありがとう』と拝んでくれます。寄り添い続けることに精一杯の心が伝われば嬉しいです。」(記:えみちゃん)

訪ねていくと必ず「忘れないように」と、訪問者の名前をノートに書き留め、一言メッセージを添えて下さいます。

「○○さん、□□ちゃん、▽▽ちゃん(スタッフの名前)、3人でおいで下さいました。ありがとうございます。」

この訪問がHさんにとって、どれほど嬉しいかを感じれば感じるほど、スタッフは切なくなります。

 

また、住宅再建をされた方を訪問した地元スタッフは、訪問先の亡くなられた家族が、スッタフの子どもの同級生であることが分かり、心打たれます。二年経ってやっと話すことができるようになったその思いを受け止め、共に涙します。「○○ちゃんのことをいっぱい語ってね。」ここに確かに生きてきたあかしを語りながら確認し、うなずいていきます。

 

その地区のほとんどが流され、自宅だけが残ったTさんにとって、震災後この世の不思議を特に感じています。なぜ私の家を残していただいたのか。裏山に祭ってある神さまに感謝を捧げます。小学校卒業からずっと肉体労働で働いてきたTさんには、これがご褒美のようにも感じます。しかし、孤立した場所にはもうお茶を飲みに来てくれる仲間はいません。80歳を過ぎの彼女は目を細め、山合いに見える海を眺めます。

 
市民プラザに
HUGハウス通信を置かせてもらいました。

出会った方々との訪問を重ねる度に重みが増してきます。

時にシビアな現実、時に希望のひと時を共に感じながら訪問を続けていきます。
 
HUGさんによる個別面談、るみちゃんの市民プラザへの情報提供も続きます。
 
(記:林)
 
 
 

2013年10月23日水曜日

参加者企画芋煮会


入谷方面、K仮設にとって、前回開催のCocoタイムは特別な時間でした。

そこで、参加者数人が、「次回は芋煮会をしたい!」と盛り上がりました。立ちあげられた実行委員会(と記者が称してみました。)は、昨日から材料を買出しし、集会場で切る作業をして準備をしています。気持ちが高ぶる中、小雨の三滝堂に来ていただきました。


準備を前に朝の挨拶
HUGハウスとしては、今年初めての芋煮会。下準備に手間どいながら、参加者6名のお気持ちに応えようとドタバタ。

参加者の皆さんは、到着してから一杯お茶を飲み、早速料理に取りかかります。

さすがは地域の芋煮会。それぞれの切り方、材料の揃え方があり、口も出てきますが、お互いに譲ったり押したりしながら、料理を進めていきます。
「私野菜切りましょ。」

料理も半ば、大きな鍋の芋が煮えるのを待つ間、近くの激安小売店へ買い物に行きましょうということになりました。突然のリクエストでしたが、スタッフは快く引き受け、参加者全員、錦織方面へ。お目当ての店が定休日とわかると、次は米川方面の道の駅へ方向転換…。参加者の皆さんはピクニック気分で、とても楽しそうに買い物をしていらっしゃいました。買い物袋にいっぱいの商品を持ち、三滝堂に戻ります。
最後の一煮立ち

三滝堂では、良い具合に鍋の中身が煮え、最後の一仕上げをする程になっていました。女性たちが豆腐とネギをいれ、味噌を溶いて出来上がりです。

皆で感謝の祈りをし、実食!


豚汁とお手製弁当を頬張る。
お腹がちょうど空いた頃、無言であつあつの豚汁をほおばります。具だくさんで、よく味が出ており、「普段こんなに食べない。」という方も、おかわりして食べていました。

「やっぱりみんなで食べっと美味しいね。」

仮設で一人暮らしの方々は特にそう感じるようです。Cocoタイムは、単に寂しさから逃れるために行事を企画したり、無料のタクシーになり代るためにしているのではありません。その人らしく生きるエネルギーを取り戻すために行います。


鍋二つを
果たして平らげることはできる
食べるだけ食べ、語り合ったら、散歩に出かけることになりました。田舎の道端には、昔懐かしい草花が生えています。こういう草花を愛で、時に触れてみながらみんなで歩いて行くのがただただ嬉しいようです。

三滝堂に戻って皆で、今日の感想を言い合いました。
道すがらお花を摘むのはどなた?

「秋の風物詩の芋煮会をこのように皆でできて嬉しかった。」「芋煮会だけでなく、ショッピングやお土産まで付き、本当に楽しかった。」「同じ仮設の住人でもこのようにして集まって何かをするということができない状況なので、このような機会は本当にありがたい。」

震災によって思い通りにならない住環境に暮らしている今日の参加者にとって、人と寄りあって、共に食事をすることは、特別に意味のある事のようです。それは、その人の喜びが湧きあがる時、輪の中の自分の居場所、生活の活性剤でしょう。(記:林)
 
 
 
 
 

2013年10月22日火曜日

夢にぼたもち


三滝堂周辺の山々がにわかに色付いてきました。

Cocoタイムの開催です。今日は歌津方面の仮設の方々をお迎えしました。
初めてのキャンピングカーの
乗り心地を確かめる
参加者の皆さん。
キャンピングカーとCRVでお迎えにあがります。
某仮設に到着したら、参加者の皆さんはお弁当と気持ちをいっぱいに持ち、
万全に準備して待っていらっしゃいました。
「子どもの遠足のように指折り数えて待っていた。夢にぼたもちだ。





」と語って下さったのはMさん。
 
一路三滝堂へ向かいます。
車でご近所さんとお出かけは楽しいものです。普段通ることのない道からの景色を眺めながら会話がはずみます。
 
三滝堂に到着した皆様を地元スタッフが出迎えます。「いらっしゃい!ようこそ!」
周辺をしばらく眺め、木々や小川を愛でます。
家の中に入り、早速お茶会。自慢のお漬物がいくつも出てきます。
一段落したところで、自己紹介が始まりました。
プレゼントされた服をご披露
まずはスタッフが自己紹介。続いて参加者の皆様が順に紹介していきます。
ある方は、「この服見てけさい。嫁さんが母の日にプレゼントしてくれたものでがす。これ、他所いぎだ~ってとっといたげど、着たくて着たくてねぁ。今日着られて嬉しい。」と、新品でおしゃれな洋服を披露して下さいました。
参加者全員、お出かけ用の服を着ていらっしゃったというのが一目で分かります。
いかに楽しみにされて来られたかがわかります。
皆様それぞれのストーリーを語られ、内容の濃い自己紹介となりました。
 
次に、こちらの仮設で初めてのミニ学習会を行いました。
ミニ学習会
HUGハウスで大切にしていることを4つのポイントで話します。
参加者の皆さん、ちいさなブックレットを片手によく耳を傾けて下さいました。そして、後からの感想として、「やはり他人の悪口を言い合うのは気持ち悪いから嫌だもんね、みんなで話すときは他の人の事を話すのはいけないって、その通りだ。」とおっしゃいます。
 
お互いを聴きあったところで、散歩に出かけます。
公園へ散歩
今日の三滝堂は、曇り空で散歩には丁度いい天気。道すがら畑をされている方に声をかけかけ作物の話をして楽しみます。三滝堂公園に着くと、売店の店員さんが声を掛けます。
「今日はどこから?」店員さんにも恒例のCocoタイムとなっているようです。
水量は多くなっていましたが、水の流れはとてもきれいで、参加者の皆さんの小学校の頃の記憶をよみがえらせます。先生も生徒も素っ裸で楽しく水遊びした記憶。皆で語りながら笑います。近くでバーベキューをしている若いグループからおいしそうな香りがします。挨拶をして通り過ぎます。雰囲気を十分味わたところで、HUGハウスへ引き返します。
公園内を練り歩く
 
HUGハウスに着いた参加者は、早速お昼にしました。皆さんおにぎりを握り、お漬物を交換して味わいます。途中ご近所さんからふかしたばかりのホクホクの芋をいただきます。
「なんとや~」「さっき道歩ってる時、うまそうな芋だ~なんて噂してたから聴かれたかな」とありがたく頂きます。
「○○のお話も聴いて下さい。」…焼きイモにまつわる痛い経験を話され涙されます。一つ一つが、思い出のボタンです。
 
おにぎりをほおばり、
お話しが盛り上がる。
「なんぼおいしいものあてがわれても、みんなで食べるのは違う。」
ほとんどの方は日中一人で暮らしていらっしゃいます。みんなで食べるご飯は、家で一人で食べるご飯の味と格段に違うようです。
また、会話がはずみます。
「(今は、嫁にご飯を)あてがわれるようになった。それで『いつもありがとう』『ごちそうさま』を言うようになった。」
 
宴もたけなわ、喜びが深まる程、過去のつらい記憶と今を比べます。
「昔の人は、いっぺぇみじめな思いして生きてきたから…」「みんな、ほだったから…」
「みじめな思い」という言葉が、地元スタッフにしみます。どんな思いで耐えて来られたのか計りしれません。こんな風に皆と笑いながらお弁当を食べてのんびり過ごす日が来るなんて思いもしなかったでしょう。
 
笑って冗談を言ったり、昔の思い出を語ったり、時があっという間に過ぎていきました。
最後に一枚記念写真。
いよいよ帰る時間です。「今日は楽しかった。」お互いにハグして、帰路に着きます。
「お金出しても、頼んでも、こんなことやってくれない。」「ありがたい。」
稼ぎに出かけている家族を支えている方々にとって、一緒に出かけて楽しむ時間を申し出るのは気がひけます。
「また、頼みますよ。」名残惜しくお別れし、今日のCocoタイムが終わりました。
苦労をされている方々だからこそ、今日のひと時は特別に感じられたことでしょう。楽しいひと時をその人らしく生きる糧として、また生活に戻る。
Cocoタイムの意図を参加者の皆様と共有できたのではないでしょうか。(記:林)
 

2013年10月21日月曜日

新鮮な出会い


今日の活動報告をします。(by るみちゃん)
アリーナ周辺の病院や役場、社協など
への開催の知らせを準備。

 


ケアカフェ、オープン!
「朝は雲の少ない青空のなか、風が少しだけ秋を感じさせ、気持ちのよい始まりでした。日常のなかなかなか出会えない若い世代の方々と少しの時間ですがこころの息抜きのお手伝いをすることができ嬉しく思います。
おとなしいかもしか。
仮設住宅に訪問しても仕事にでかける若い方にであうことはありません。今日はまたひとつの出逢い方を知ることができました。山の開発によりアリーナの駐車場のりめんに親子のかもしか三匹が人間の生活を見つめていました。生きる場所がどんどん狭くなり、かもしかにとっても大変なことになってしまっている。人間だけじゃない、みな同じ。」(記:えみちゃん)
 
 
 


ケアカフェの旗がなびきます。

「今日はアリーナカフェで相手の方のお昼休憩と言う貴重な時間に普段出会えない方とお話しする事が出来ました。
仕事と主婦業と子育ての時間に追われる働くお母さんの誰にもぶつける事の出来ない心の叫びなど数分ではありましたが一緒に寄り添える事が出来ました。

アリーナカフェは普段のカフェとは違い外での風を感じながら自然に話せる空間も素敵だなぁと思いました。」
(記:るみちゃん)

 
青空の下…ん?
雲いきがあやしくなってきました…

「アリーナカフェでは、新鮮な出会いがあると感じずにはいられません。
役場の用事後にカフェにいらっしゃった男性…震災時の記憶がまだ生々しく思い出されると言います。
それでも志津川で生活する魅力を話してくださいました、『あの時を共にした草木だと思うといとおしい』と素敵な感性を感じるお話しをしてくださいました。愛でる木々は町の復興と共に少なくなるでしょうが、新旧バランスのとれた町が出来るといいですね…。

また、お話しお聞かせくださいませ。」 (記:ゆうちゃん)

 

以上、地元スタッフから報告でした。ありがとうございます。


同じ支援者の訪問も。
アリーナカフェ開催は、これで三回目。カフェへいらっしゃった方々は、今までで一番多く36名でした。ご利用、ありがとうございました。

このカフェを通して、自分の心に目を向ける、誰かに向き合ってもらい心の事が相手にされる、キャッチされるということが日常の光景になっていくといいなぁと願います。(記:林)