2013年10月2日水曜日

苦労ー実りー希望

孫たちのためにと書いたKさん

「地震、津波注意
大地震が有ったら すぐ高台に逃げろ
高台に上がったら、後にもどるな
もどれば命がないものと思え」

この文章を作ったのはKさん。津波当時は、自宅近くの防波堤に海を見に降りてきていたそうです。近くの人から津波だから逃げろと言われなかっらた、自分は死んでいただろう・・・と話していました。そのKさんの自宅には、上記の言葉が書かれた紙が貼られていましたが、この文章の初めに書かれていた言葉が、『遺言』だったのは印象的でした。誰のために書いたのか、お聴きすると、「孫たちのためだ」そうです。
 地震、避難所時代に経験した苦しい想いを
孫たちには味わって欲しくない命を込めて書き残した大事な言葉・言霊なのかもしれません。

 他にも、お孫さんへの思いの深さを語ってくれた女性にも今日は出会いました。「自分の60年余りの人生は、下り坂ばっかりだった・・・苦労したよ」と話される女性に、その苦労は実りましたか?と質問すると、「そう実った、実ったと思えるのは孫たちだね・・、そう孫たちが自分の実りさ」と返事が帰ってきたのです。苦労が実ったと嬉しそうな顔を向けるその女性の人生の苦労は、思いもよらないほどのものだったのでしょうが、苦労だけではなく報いが必ず訪れる事を教えてくれているようでした。お孫さんが出来た事が苦労の実りならば、そのお孫さんの成長のために自分のこれからの役割を考えることができるなら、希望にもつながるのでしょうか。実りが新たな希望を生み出す・・・。


地域も仮設住宅も・・
 今日は、歌津地区の仮設住宅でお茶会を開いているところに訪問を行いました。

このお茶会の特徴は、仮設住宅内の談話室で行われているお茶会であるにも関わらず、仮設住宅在住の方はわずかです。参加者の多くが、家が流されずに残った在宅の方方である、というのが大きな特徴だと思います。津波という被害に有った人、そうでない人・・・、そういう支援の線引きが地域を分断してしまったという事例を多く聞いていただけに、この仮設住宅の垣根を超えた繋がりに、暖かいものを感じ、嬉しさも味わえ有難かったです。

今度、このお茶会に参加している方々が、三滝堂HUGハウスでの「cocoタイム」を希望されています。10月の秋を感じる頃に実施できそうです、「よかったね、楽しみがひとつ増えたよ」としみじみと話していた顔が忘れられません。小さい楽しみですが、希望の一つになりますようにと願います。(記:宇根)






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