2013年10月4日金曜日

前を向いて生きる・・・

久しぶりに訪問したある仮設住宅で、気になるKさんを訪問すると、ご家族がKさんは2週間前に旅立たれた事を教えてくれました。

Kさんを病院に訪問したのは8月の末でした。

しっかりと手を握りながら、「わたしね、10月に入ったら退院だよ。家が建つからそこに行こうって家族に言われてね・・・早く退院したいよ、新しい家に行きたいよ・・・だからね、家に帰ってもいいようにね、リハビリ頑張るから」と話してくれたのを鮮明に思い出します。嬉しそうでした、家が建つからって・・・待ち遠しそうに、頼もしそうでした、家族が迎えに来てくれるからって・・・。

 Kさんは津波で流された娘さんが見つからないのことに、「しかたないね、上がってこないんだったら龍神様になって欲しいね。龍神様になって町の人たちを守ってほしいね」と話していました。龍神様になった娘さんが待っている、素敵な家に旅立ったのでしょうね、Kさん。
 10月からは新しい家に住むと言っていたのは、この「新しい家」だったのかもしれないと思います。海を見るたびにKさんと龍神様になった娘さんを思い出しそうです・・・。ありがとうございましたKさん。



 今日はなかなか訪ねていけなかった戸倉地区の仮設住宅を訪問して回りました。

 その中で、久しぶりに出会った女性は仮設住宅の前の花壇に花を植えていましたが、この時期になると色の付いた花を咲かせたくなると話していました。ピンクや赤の花が咲いているのを見るのがいいと・・・、鮮やかな花が咲いている事で心が和むようです。訪問したるみちゃんは、「やっぱり、寂しい思いがあるんでしょうか・・・」と感想を報告していました。
 せめて花でも明るく咲いて欲しい、と願う気持ちの底に秘められた想いに届く関わりへと繋がっていけるといいなと思います。(記:宇根)

★地元スタッフゆうちゃんからの報告です
「今日は、朝の涼しさが10月と秋を感じずにはいられない日です。
1ヶ月ぶりに伺わせて頂いた戸倉地区の某仮設、温かい出会いが私達を待っていました。
お姿を見かけて手を振ると振り返すSさん、笑顔で挨拶、お元気そうで何よりです。
新しく息子さんに買って頂いたとおっしゃるシルバーカーを見せながら、散歩に誘ってくださいました。
「まだ、無免許だから」と話ながらエスコートして下さいましたね。
「津波で失ったものは元には戻らない、生きてよかったのか、迷う事もあるけれど、前を向いて…」と力強い言葉を頂きました。
私達は、母とお散歩をしているような気持ちになりましたよ、ありがとーございました。お元気で、また誘ってくださいね。」(ゆう)






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