2013年10月15日火曜日

不思議さに触れて・・・大事な何か

今日は志津川地区の仮設住宅を個別訪問を行いました。

この先に避難して・・・
★仮設住宅に上がっていく前の集積場所に男性が二人休んでいるところへ、声をかけてしばらく話をしているうちに、お二人の内の一人の方が津波で息子さんと奥さんを流されて亡くなられた事を話してくださいました。

奥さんは病院で入院中に動けず流され、息子さんは避難所まで自分を送っていた後に職場に戻ってしまい変えられぬ人になったようです。息子さんは未だに見つかっていないと言われていました。

散歩から帰る仮設
その方が毎日仮設住宅から散歩をして足を伸ばす所が、息子さんが送り届けた避難した家 だそうです。かかさず其処までは足を運ぶことにしているようで、「そこが息子が送り届けてくれた場所だからな・・・そこが息子との最期の場所だからな」と話していました。息子さんとの繋がりを感じる場所だからでしょうか、現在はそこの近くに自宅を再建しているとも話してくれていました。

 息子さんが連れて行ってくれた安全な場所に自宅を再建する思い・・、そこが一番安全な場所になっていると感じているのが伝わるようでした。息子さんは未だ帰ってきていませんが、不思議にその場所に行けば息子さんの思いに触れられる・・・のを感じているようでした。



小さい時に願かけた祠
★ある仮設住宅では、津波にのまれ溺れ意識を失ってしまったのに生かされた・・・と話してくれた女性に会えました。

 彼女の話によりますと、津波に飲まれて意識を失い次に意識が戻った時にはガレキの中で立っていたそうです。「誰が、私を立たせてくれていたのか?・・・どうして立てていたのか、さっぱりわからない」と話していました。その事の不思議さを聴いていくと、彼女は「私は小さい時に死にかけたの・・・その時に、近くの祠におじいさんがガンかけてくれたのよ。それで、神様仏様が私をたすけてくれたのかしらね」と話してくれました。おじいちゃんが数十年前に祈られた思い・・・、祠は流されて以前の形を留めてはいませんが、その祈りは彼女の中で今も生きていている・・・ように感じているのが伝わってきました。

 不思議さの中に秘められた何か・・・、その何かは分かりませんが、その不思議さをいろいろ味わいつつ力にして懸命に生きている姿に触れる機会はよくあります。そしてそのような機会は、貴重な時間に感じます。

 私達の理解では分からない不思議さを前に、私たちは何か大事なものに触れているのかもしれない・・・・そう思います。(記:宇根)





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