2012年8月1日水曜日

祈りながらともに過ごした時間

志中で活動する長さん
今日は午前中これまでの一週間をスタッフ間で分かち合いリフレッシュの時間を過し、午後からは個別訪問を行いました。

地元スタッフだけで担って下さっていた約一週間。不安や緊張もあったようです。しかし、これまでの日々の傾聴への実践や学びは、確実にそれぞれの内面に刻まれていました。
自分の思いに気付くことの大切さ、自分をHUGすることの大切さをご自身で実感したことを通して、家庭の中や出会った方と過ごすひと時をより暖かな関わりとなれるよう、その努力をされています。あの日を同じように体験し、さまざまな痛みや傷を負ったスタッフだからこそ、暖かく、そして相応しく相手に寄り添うことの大切さ痛感されておられるようです。

午後には、『神割崎』への訪問。木陰に集う仲良し4人様との出会いを頂きました。ケアカフェで過ごされた時間が出会った方々の内面に『喜びのひと時』として、深く印象に残っておられました。「また来てね!必ずね」と、サプライズとなったスタッフの訪問は、ことのほか嬉しかったようです。

また、暫くお会いしていなかった、人間関係に悩んでいたある方を訪問しました。多くのものを失った喪失の痛みをスタッフは知っています。痛みを抱えたまま人と付き合うしんどさも知っています。だから、「自分の気持ちに正直に、無理しないでくださいね」と相手の方にお伝えしていました。これまで云われるがままに受け入れていた近隣者からの要求を「断ることができたの。あの時言ってくれたおかげ」であると伝えて下さいました。相手の方を大切な人として関わりたいからこそ、自分に無理をしないこと、心を軽くニュートラルにしておくことが必要です。スタッフが提供した言葉によって得られた勇気です。

夕方、今月末にOpeを控えたある方を訪問。「周りは(体験者)大丈夫。簡単な手術だから・・って云うけど・・おっかないよ・・」と心細そうに仰いました。生きるための選択ですが、重い決断でもあります。病気と闘う肉体的な力と、魂の力が強められますように・・祈りながら共に過ごさせていただいた時間です。

現在の南三陸の町の様子は、倒壊した建物の取り壊しが急速に進んでいます。
解体を始めた戸倉小学校(左)や、姿を消した警察署跡地(右)。かつての面影が姿を消していきます。

海のすぐ近くに建つ建物は、防波堤の役割ともなれるよう、土台や骨組みは通常の数倍だそうです。この建物の屋上まで浸水し、膝くらいまで津波が来たそうです。避難された全ての方が助かりましたが、高さを増していく海の様子や、引き波がさらっていくあらゆるもを、成すすべもなく見せつけられた場所でもあります。
知る限りにおいて、その数名の方は「海はもういらない・・」と、残酷な光景が脳裏に刻まれたことでこの町を離れています。
(記:マドフォ)

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