2012年8月27日月曜日

「生きる」こと自体が人生の価値

『被災地障害者支援宮城』の連携スタッフ3名とともに今日の活動を行いました。

午前中は、『志津川高校仮設』でのカフェOpen.
心待ちにしてくださり、すでにテーブルが準備されていました。

津波から逃れ、命をつないだことを喜んでいたのもつかの間、仮設に移り住みホッとして間もなくご主人を亡くされた方の心の叫びは「あの時(津波)、逃げなければよかった・・」と、安堵のあとに突然訪れたお別れ。人生の残酷さに涙を流されていました。

90歳と6ヶ月と仰るある女性は、戦争時を回想し、これまで乗り越えて来られた数々の極限状態の歴史を伝えて下さいました。そして、この大震災を体験しながらも、食べ物があること、家屋が与えられたこと、全国から支援者が次々に訪れたことを「恵まれている」と仰られました。幾人もの方が大きく頷かれ、健康に配慮しながら「与えられた試練をまた乗り越えるだけ」であると、淡々と『生きる』こと自体が人生の価値であると教えて下さいました。

癒えない傷を抱えたままであっても、人と交わり、互いに語る言葉に耳を傾け合うことで、思いがけない発見に心が救われるようです。

午後からは、地元スタッフによる町ナビと個別訪問。
後列 和歌山・大阪・広島から来られた3名
被災された方による町の案内では、それまでの日常がどのように破壊されていったのかが、同行者にとって、とてもリアルに響いてきます。
また、車中では「今、ここ」で起こっている現実を聴かせていただける時間でもあります。

遠くに暮らし、被災地に思いを寄せながら見つめることと、現実のただ中で聴かせていただくことには大きなギャップがあることを、感想として伝えて下さいました。


個別訪問では、これまで出会った方々へのご挨拶。
私、マドフォは昨年夏より、HUGハウスで心のケアを中心とした活動を共に担わせていただいて参りましたが、今日のブログをもって、南三陸町における活動が最後となります。地元の神戸に戻ることになりました。
志津川高校でのカフェで思いがけず得意のハーモニカを伴奏に「ふるさと」を皆様で歌ってくださり、お一人お一人が思いを伝えて下さいました。有難かったです。

甚大な被害を受け、多くのものを失いつつも、人を思いやり、その人がもっている力を活かして下さる力をお持ちである、南三陸の人々の歩みを、これからも見つめ続けていただきたいと思います。

震災がなければなかった出会いは、素直に出会いを喜ぶことができない複雑な思いを持ちますが、この一年間を通して出会わせていただいた皆様に心より感謝申し上げます!
いつか、どこかで「また、お会いしましょう」 I love you!

(記:マドフォ)

2 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。
    マドフォさんが南三陸で、HUGハウスでつとめた役割は
    本当に大きかったと思います。
    きっと神戸でも、多くの人がマドフォさんとの出会いを
    待っているでしょう。
    またお会いできる日を楽しみにしています!

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  2. おつかれさまでした。
    マドフォさんの出会いは、間接的に自分の出会いでもありました。
    came and seeで、南三陸町での体験は、私の人生の生き方を定め
    てくれると思います。その節はありがとうございました。
    関西でお帰りをお待ちしております。

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