2012年10月17日水曜日

それでも海が見たい

今日は穏やかな海・・
少しずつ戻ってきた船
 60年も漁師をしてきた男性が、「来月からアワビが始まるよ・・・アワビは鍵でコツンとしてから採ると、うまく採れるんだよ・・・なーにアワビ採りはやりながら覚えていくもんさ・・」 と、とても嬉しそうな表情で話してくれました。そして、「1時間も、2時間近くもかけて、仮設から自分の部落に行くのさ、この手押し車を押しながらね・・海を見に行くのさ。大変でも、自分の部落を見に行くのさ。今は船も何もなくなってしまったけど、海を見たり船を見たりしている」と、今度は悲しそうな表情で話してくれました。この漁師は、膝を悪くし3か月もリハビリを行い手押し車無では歩けません。それでも、大好きだった漁を思い出しながらも仮設から自分の部落までを歩くのだそうです。
 
津波で流され使えなくなった網
嬉しそうな表情と悲しそうな表情で話す彼を前に、ただ沈黙です・・・。でも、辛さ、悲しさ、そして喜びを一緒に味わえる機会を頂けている事に感謝しながらも、この状況でも喜びに変わるものがきっとあるはずと信じながら、又会いに来たいと思いました。

仮設から海が見渡せる

 今日はカフェはありません。午前、午後とも個別の訪問を行いました。
 志津川地区にある高台の仮設住宅を訪問しました。個別訪問のはずが、集会所の外に建てられたテントに10人ほどの住人が集まっており、その中に混ぜてもらい、俄かカフェのような雰囲気に。2時間ちかくも皆さんと時間を過ごさせてもらいました。

談話室の外にあるテント
に集まった住人と・・・

 漁師の話し、農業の話し、そして美味しい海の幸の話に笑いは絶えず、震災を忘れるひと時を一緒に味わわせてもらえました。「何度でもおいで・・今度は、奥さんと一緒においで」と冷やかされながら帰ってきました。みなさん有難うございました。
(記:宇根)





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