2013年7月26日金曜日

分かってもらいたい



 
 個別訪問がだんだん定着しています。
今日は特に、訪問先の方々からHUGハウスの訪問を楽しみにされているという声を聞かせていただきました。
ある方は、老人ホームに被災者として入居されている方です。訪問したスタッフに、文字で「今日の訪問を楽しみにしていた。」と書かれました。認知症を患っていらっしゃるこの方は、時々季節の感覚が混乱することがあります。しかし、人の温かみや、待ち人、大切にする人が今何をしているかなど、記憶は鮮明です。訪問に対して「ありがとう」を何度も繰り返され、スタッフもぐっとくる一面がありました。
見なし仮設集会場でのケアカフェでは、久しぶりに参加された方が、行政の対応に対する不満を訴えられました。カフェでは、その方の話を丁寧に聴きます。最後にこの方は、「このように分かってもらえるのは、とても良い。」と満足して帰られたようです。手続きや、これからの生活について尋ねるために役場に出かける時は、不安な気持ちと共に、勇気を振り絞って行かれるそうです。この気持ちを分かってほしい!訴える内容をきちんと聞いてほしい!邪険に扱わないでほしい! そのように聞こえました。
大切にされたいとは、万人のニーズでしょう。怒りの内容に特に共感できるスタッフは、「少なくとも、ケアカフェの時間に声に出して訴えることができたのは良かったのでは。」と話していました。
昨日から来られている荒さんは、午後に戸倉方面に出かけ、以前出会った仮設住宅在住の小学生に再び会うことができました。しばらく遊びながら、子どもの成長と気持ちの変化を確認することができたようです。
 
午後からは、スタッフ全員での研修会です。一般社団法人になったHUGハウスの定款を皆で確認、共有しました。HUGハウスの目的、それは「キリスト教隣人愛に基づく心と魂のケア、霊的ケア」や「心理カウンセリング」で地域社会の福利に貢献するというものです。このような概念やサポートの仕方は、この町にとって目新しい事なのかもしれません。しかし、地元スタッフには、活動や研修を通してHUGハウスの目的や目標、内容が浸透してきています。今日の研修の中で、それぞれが「HUGハウスって何してるの?」に答えてみました。それぞれ違う言葉を使いながら、HUGハウス活動の内容や目的を言い表すことができました。
町ごと被災という中で、特に「病む人、痛む人、悲しむ人」に寄り添い、お一人おひとりの心が元気になるようサポートしたい、また死の瞬間までその人らしく生きるお手伝いをしたい、そう願って活動を進めていきたいと思います。(記:林)




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