2013年7月23日火曜日

問題に向き合いつつも懸命に生きるために

「ガレキ」が無くなった志津川の町の元畑だった場所にブルトーザーが土なららしを行う音が響いています。
 津波で流された畑を、懸命に耕している姿を最近よく見かけるようになりました。少しづつ少しづつ畑が戻ってくるに従い、畑で働く人の姿も目立ってきました。

 今日、ある仮設住宅に暮らす方が「私は、なんの特技もない、手芸なんてもできないし。頭も良くないんだよ」と話していました。何が得意なのでしょうか?と聞いてみると、漬物をつけることと畑を耕し野菜を育てることだと言われます。その方は、毎日のように周囲の家が無くなった畑に出てきては、畑作業に精を出している姿がよく見かけられています。好きな畑に出ていて色々な人に声かけられるのも嬉しいとも話していました・・・・。

珍しい黒い向日葵
ですが、いろいろ話を聴いていくいくうちに、実は家の中のいろいろな事が大変で畑に出てきている事を教えてくれました。どうにもならない大きな問題に向き合うつらさに押しつぶされそうになる時に、畑に出てきているようでもあったのです。逃げ場所があることは大事なことかもしれない・・・、そう思いました。問題から逃げるのではなく、問題にまた向き合っていくために、一時的に離れて冷静になったり力を取り戻したりする時間や場所も必要なんだと、教えられます。
大きな問題に向き合いつつ津波の被害に苦しみながら懸命に生きる姿、その力の源が強められますように・・・と願います。


カフェの風景
集会室の前で・・・。

 今日の活動は午前中はカフェ。午後からは個別訪問とカフェ案内を行いました。

 午前中は、志津川地区内の仮設住宅で「ケアカフェ心香」を開きました。始まる前に、カフェの意味を説明しスタート。地元スタッフの人数が参加者と代わりない程だったために、丁寧に向き合うことができました。

 嫁姑の問題、何もかもできなくなってしまった苦しみ、とうとう志津川の町を離れることが決まり、町を出ていかなければ行けなくなった寂しさ・・・。賑やかに過ごす間に、こぼされる心の痛みを大切に大切に受け止める。聴いてもらえた、話してよかった・・・。そのような実感を持てる時間になったようです。
 また参加者の中から、地元スタッフに「あんたたちは、ちゃんと講習を受けているんだね。見たらわかる、それに笑顔がイイね」と嬉しい評価をいただきました。日頃の研修の成果を実感できる言葉に嬉しくもなりました、地元スタッフの成長の糧だと思います。

 カフェ終了後、家に帰るより一緒に居たいという方や、いつまでも手を振って送っておられる方の姿を忘れないようにしたいものです(記:宇根)





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