2013年7月9日火曜日

いっそけぇりてぇな


熱さがだんだん厳しさを増し、海風が気持ちの良い荒砥の仮事務所でさえも、扇風機二台を稼働させました。沈黙の時間で体も心も整えて、今日の活動が始まりました。

午前中は、近くの老人施設に訪問させていただきました。HUGハウス訪問開始から、3か月が経ちますが、今日になって7年ぶりに再会した地元スタッフの伯父さんや、同じ訪問者の顔をやっと覚えて下さった方など新鮮な出会いをさせていただきました。繰り返しの訪問でも、同じ時はありません。ある方は、幼少の頃に受けた傷と、可愛がられた思い出、両面を涙ながらに分ち合って下さいました。この傷と共にずっと生きて来られたのでしょう。人生の終盤を迎えられている今、語られる傷や生きる力をスタッフは大切に聴かせていただきました。語ったり涙を流されたりしながら、「苦しみ」としての傷が返ってその方の「人の深み」となり、癒しや生きる力に変わっていくと良いなと祈らずにはいられません。

「いっそ、けぇりてぇな(いっそ、帰りたいな)」

彼女が口にされたこの言葉は、単に家に帰りたいだけではなく、生きて来られた歴史、心の傷や忍耐、郷愁など様々な思いと叫びが聞こえてくるようです。

 

仮設の近くに設けられたテントは
住民の皆様の集まれる場
午後からは、昨日に引き続き、HさんとHUGさん、地元スタッフと共に、歌津方面の「町ナビ」を行いました。車でいくつかの仮設に立ち寄らせていただきました。すると、たまたまベンチで集まっていらっしゃった方々や、他団体さんのプログラムで集まっていらっしゃった方々にお会いすることができました。被災地を見学するだけでなく、実際に仮設住まいの方々と出会うこと、これはHさんが望んでいらっしゃった事でした。それで今回の「ナビ」は、「町」ではなく「人ナビ」となりました。Hさんは今回の町ナビに満足されたようでした。午前中は、荒砥の仮事務所前の駐車場で熱い中、草取りをして下さいました。ありがとうございました。(記:林)


 

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