2013年6月5日水曜日

鮮明に残る記憶



高台で一望する南三陸の町
HUGハウス会計監査の三木さんの滞在最終日。本日のHUGハウスの活動に同伴し、被災地を見て歩かれました。実はご自身も阪神大震災の被災者です。今回の滞在では、「被災地」南三陸を実際に肌で感じる為に「町ナビ」を希望されました。実際には南三陸町が初めて訪れる土地だったので、被災以前の様子が分からず「(災害の)すさまじさが想像つかない」…という訳で、せめて写真集でもと、購入。地元神戸に返り、今回の様子を周りの方々に伝えてくださることでしょう。これからも、HUGハウスの会計サポートをよろしくお願いします。

 

さて、スタッフの方は一日戸倉地区の仮設を訪問し、出会いをさせていただきました。
ある仮設のミシン工房で作られていた商品。
メッセージ付きで心に触れます。

Hさんは、311以来「地震」「魚」「海」「津波」といった言葉を聞くだけで当時の様子がフラッシュバックするので、そのような言葉を聞きたくもないし、口にもしたくないと語られました。身内の方がまだ見つかっていらっしゃらないので、見つかっていない方々がまだ海の底に沈んでいるのではないかと思ったら、魚を食べることすらままならないそうです。「家族から『3年経って、何やってんだ』と言われるけど」


未完のままのグリーフ、心の傷は現在進行形です。それぞれにかかる心の癒しの時間を尊重し、寄り添わせていただきたいです。

 

Sさんは、震災で家を失い狭い仮設生活を余儀なくされているばかりか、震災後に認知症発症のお姑さんの介護をしなければならなくなり、行き場のない身体的・精神的ストレスを抱えられていることを語って下さいました。地元スタッフは、Sさんを外に促し、気持ちの良い風に吹かれながら一時の「ガス抜き」を共に味わいました。家族を支える立場のSさんには、家族に弱音を吐けません。
S.K.C編み物クラブからいただいた
体操座りのできる人形。触れて形を変え
れば、何だか自分を写し、
自分の心を表現できます。

「このはざまの中で生きているのね。」

逃げ道がない、がちんこ勝負の毎日を送ることは、地元スタッフにとっても他人事ではありません。Sさんの気持ちを受け止め共有するひと時でした。(記:林)



 

0 件のコメント:

コメントを投稿