2013年6月18日火曜日

震災はどのような現実を示したのか・・・。

 「背骨を痛めてしまった・・・、こうして骨と皮ばかりになって。背骨を痛めたのは、避難している時に家族のために毎日水を汲んで歩いていたからさ、それで背骨を疲労骨折・・・」

 と教えてくれたのは、ある仮設住宅で暮らす方。震災後の生活の大変さを物語るように、震災後1年は話もろくにできなかったとか。家族のために骨身を削って・・・という表現が相応しいくらい。ご本人に、「家族のために骨身を削りましたね」と応えると、嬉しそうに笑っておられました。震災という体験が何を大事に守るべきかを教えられ体験されたのかもしれません。
 また、ある方は、震災によって一緒に暮らすことになった家族との関係がギクシャクしている事に心痛めていました。「こういう時期だからこそ、家族がお互いに優しく、いたわり合い、仲良くするべきなんだろうにね・・・それが出来ない。それが何より悲しい」と心境を話してくれました。震災によって初めてギクシャクした関係に正面から向き合うようになったようです。

 震災は、その被害を受けた方々に、色々な経験をさせたのかもしれません。

これまで考えていなかった事や関係性、信頼できるものとは何か・・・等など。その人、一人一人によって考える事は違うでしょうが、震災という未曾有のしかも危機的な体験は、一人一人に多くの現実を投げかけたようです。それによってその人生に、その生き方にどのような影響が及ぼされていくのでしょうか。
 私たちは、日々の出会いによってその事を教えてもらっているかもしれません。



今日は、歌津地区の仮設住宅での「ケアカフェ心香」の開催でした。
 「話を聴いて欲しかったからあなたたちを待っていたの」と話し、1時間近く話しをされた方。
 集まってきた親しい友の笑い声に、「この人たちの集まりに震災の辛さを忘れさせられた」と話す方。
「自分の出身地の言葉で思いっきり話し、それを聴いてもらえたのですっきりした」と話す方・・・今日は、カフェの中でも、それぞれが自分を癒す方法や人を通して貴重な時間を過ごしたようです。
 今日の出会いを感謝です(記:宇根)

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