2013年3月14日木曜日

震災によって壊されたささやかな暮らし

「こんなんだったら、お父さんと一緒に津波に流されていたら良かったよ・・・楽しいことなんて、何一つないんだから」

 個別に訪問した先で、何度も同じように繰り返すOさん。去年初めてお会いした時にも、同じような話をされていたのを覚えています。

 Oさんの世界は仮設住宅の狭い4畳半の空間・・・、震災後に体の調子が悪くなり、今は部屋から外に出る事もままなりません。暗くなるまで部屋にあるテレビと向き合い、時折部屋の窓から見える裏山に、タヌキや狐が出るのを見ているんだとか・・・。
 QOL(生活の質)からすれば、Oさんの暮らしはこれでいいのだろうか?と考えてしまいます。「今行っている施設も、周りは皆寝てばっかしだし、話も出来ない・・・隣の人なんて、遠くを見たままだよ・・・、面白くないよ」とOさん。これが被災地の高齢者の今の暮らしの現実だろうと感じます。
 震災前は歌も踊りもよくやっていて、老人会ではいろいろな所で歌ったり踊ったりしていたのをおもしろ可笑しく話してくれました・・・。震災はこういうささやかな暮らしを壊したのだろうと思いますし、今の仮設住宅や一時的な仮の暮らし(仮設住宅)は、生きる世界をどんどん狭くしてしまうのだろうと思います。
 Oさん、今は震災前まで覚えて歌っていた歌をベッドに横になったまま歌っているそうです・・・、思い出の歌をベッドの上で歌うだけでなく、本当に思いっきり歌え踊れる日が来ることを願いたいのですが・・・。

 今日は、終日個別訪問の活動でした。集会室で出会える方々も居られましたが、部屋から出てこないので心配だという情報を頂き部屋を訪ねる事もしましたが、仲の良い友達と一緒に散歩するところに出会えて、ホットもしました。


 一方、年度末を迎え、来年度の活動に向けて助成金申請の準備や今年度最後の通信の作成などの事務作業にも必死です。

 じ地道な作業ですが、日ごろ支えてくださる方々への報告とまだまだ必要とされている町の方がたのためにも頑張りどころです。
(記:宇根)


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