2013年3月28日木曜日

寂しさの中でも生きる

  今日は、フノリや岩のり等を捕る日(開港)でした。訪問した先の仮設住宅では捕ってきた海苔などを裏窓に干すなどの珍しい光景に出会いました。「こんな風景は見たことないだろうから、写真を是非撮って皆さんに見せてあげな」と言われました。お母さんの顔が輝いて見えました、やる仕事があることで人は生き生きするのですね。お土産まで頂きました・・・、ありがとうございました。


 今日は一日、個別訪問や4月のカフェ調整を行っていました。

 志津川地区の、ある仮設住宅にお住まいの方を訪問すると、「仮設住宅に居ると、何も音がしない・・、こんなに林が近いので、カラスの一羽でも雀でもいいから鳴き声が聞こえてきてもいいのに、何も聞こえないの」と話してくださいました。その方は、何処にも出歩けないので室内で裁縫をしていますが、何の音もしない中、自分独りミシンを動かしている事にハッとして、何をしているんだろう自分は???と考えてしまうそうです。誰かの声を聞いていないと変になるからと、テレビをつけているとも・・・。

 訪ねてきてくれる事、話を聞いてもらえる事にとても安心したと感想を話される姿に心痛くなります。帰る前に、部屋に飾っていた小さな小鳥の人形を見せてくれました。電池式動くのですが、何と話す人の声をオウム返しに返すとても賢い人形です。話すままにオウム返しに帰ってくる声に一緒に笑いながらも、この人形でも心の支えになる位の生活の厳しさを実感させられたように感じました。


 午後には、別の地域で暮らすみなし仮設住宅にスタッフは訪問しました。この家に住む方は、孫の家族と一緒に暮らしていますが、隣の地域から離れているために、とても寂しいと話す方です。今日、訪問すると孫のためにと実家から犬を連れてきていました。孫の春休みの間だけ、犬を借りてきたそうです・・・、孫が寂しくならないようにと・・。嬉しそうに、犬を紹介してくれるお孫さんの姿が、とても嬉しそうでした。

 今、被災地で聴く声に、「寂しい」が多いと感じます。(記:宇根)


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