2013年3月6日水曜日

近づく3.11に揺れながら

震災があった、3月11日が近づいてきている実感を感じています。

 今日の南三陸町内では、テレビの取材やカメラマンの取材の場面に出くわす機会が多かったです。メディアが被災地を取り上げようと、盛んにこの地に入ってきているのでしょう。ある女性は「自分のところにも、来るのさ・・でも、私は嫌だから、隣に逃げるのさ」と話していましたが、被災地を忘れて欲しくない思いは強いものの、過剰な対応が傷を広げることになってはいけないと感じます。

 3月11日が近づいている中で、まだまだあの時のショックに悩まされている方は居ます。今日の訪問でも、未だに志津川の町の中を歩けない方に出会いました。「立ちすくんでしまう・・」ような感覚に襲われると聞きました。どれほど強い心への衝撃を受けたのか・・・、そしてその後もどれだけ苦しい中でも生きてきたのか、想像以上だったのだろうと痛感します。
 強い衝撃を受けても、生きなければいけない、自分の務めを果たさねければいけないという強い信念に支えられて今も踏ん張っている姿に、本当に頭が下がる思いでした。どうか、心の痛みや苦しみが癒やしへの道を歩めますように・・・、明日に向かって何とかしようという意欲が実りますようにと心から願います。

 今日は、志津川地区の荒砥仮設住宅のカフェと個別訪問が活動でした。

 荒砥仮設住宅でのカフェでは、病院に行くのを午後に回してでも参加したかったと言う男性が出迎えてくれました。「わたしは、話をするのが必要・・・」と語るその男性は、年上の先輩たちから話を聴いて引き継いできた大事な先祖の思いが、どんどん忘れていくのが辛いと分かち合ってくださいました。「誰かと話をしながら、忘れないようにしたり思い出したりするのさ・・・でも、もうそれもできなくなるのかも。自分には、その先祖の思いを引き継いでくれる家督がいないからさ・・・」と涙ながらに語る姿には、とても心痛くなりました。薄れる記憶の中だけではなく、心の深いところに、先祖から引き継いだ大事な思いは息づくのではと伝えてきました。そうなると信じつつ・・・。


 個別訪問では、地元スタッフが知っていて気になっている方々を訪ねて訪問しました。

 訪問は、スタッフにとって自分の知っている知人や友人が津波の被害を受けて亡くなっている事実に向き合う時でもあります。知っていた元気な姿を思い浮かべたり、思い出が蘇ったりする事にもなります。それでも、しっかりとその家族の心を受け止め悲しみからの歩みを共に出来るように徐々にスタッフも成長しているように感じます。

 それでも、最近は、本当に深い悲しみを背負った方々と出会う機会が増えています・・・3.11が近いぶん、その時の感情を再度味わっている方々に出会うのが多いからかもしれません。 3.11を迎えるのは、地元スタッフも同じ。自分の被災経験に否応なしに向き合う時間もあるかもしれないだけに、しっかりと自分も大事に出来ているかを意識していきたいものです・(記:宇根)


 





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