2013年3月5日火曜日

人として尊び、尊ばれる価値

 今日の午前中には、地元スタッフのすみちゃん・るみちゃんと共に最近の思いを共有しながら分かち合いと学びの時間をとりました。
 日頃、活動を通して多くの人の心に触れるだけでに、自分の今の心の中で動いてる思いを確認したり整理したりする事は、活動に出かけるのと同じほど大切な時間です。ましてや、スタッフがこの地で被災して暮らしているだけに、自分たちのメンテナンスに繋がる機会になっていく時間を意識して持つことは、この町の住人への支援の重要な一つだと感じます。

 今日の気づきは、自分が抱えている課題を整理するために、他者との距離感や他者の課題を自分がどう捉えているかに気がつく事・・・でした。この地で生活していて様々な人間関係の中で生きていかないといけない分、多くのことを感じて生きてるのは当然ですが、その関係をどう意識して行けるかでストレスにも力にもなっていける・・そんな気づきを得られた時間だったのではないでしょうか。


 活動は、午前中に志津川地区の住宅への訪問。午後からは、同じく志津川地区と横山地区の仮設住宅への個別訪問を行いました。

 午前中に訪問した志津川中学校の仮設住宅では、偶然に「クリスチャンセンター」の方々が行っている、ハートニットプロジェクトに出会いました(写真右)。この支援は、被災した仮設住宅の住人の方が作った手編みの作品を販売し、製作者にその売上が入るという支援を行っているとの事。早速、今日は次回の作品になるペットボトル作品の確認をされていました。参加されていた方にとって、自分の作品が誰かに喜ばれるという事が大きな心の力と支えになると嬉しそうでした。人は自分の存在や力が何かの誰かの役に立つということによって、どんなにイキイキできるのだろうと改めて考えさせられます。

午後に、出向いた仮設住宅で出会ったKさんは、「この間から今まで働いてきたところが働けなくなってしまった・・・私より若い人を採用したんだろうけど、なんだか私は要らない人のように感じて、寂しい」 とこぼしていました。新しく始まる年度に向けて、採用人員を若い人へと入れ替える時期に来ているからでしょうか、厳しい就労の現状を生きざるを得ない現実だと思います。Kさんは、仕事がなくなり一日、狭い4畳半の部屋でテレビを見ていて「なんだか何もする気がしなくなった」とも。辛い日々だろう・・と胸が痛くなります。
 でも、そのKさんが見せてくれたのが、お孫さんたちからの誕生日に送られてきた色紙(写真左)でした。自分のことを「うみのおばあちゃん」と呼んでくれて祝ってくれたとのこと・・・、流された家の前でその孫が小さい時に写した写真(写真右)も一緒に見せてくれました。

 「今の私の、大きな力と支えになっているのは、この孫たちだよ」と語っていたKさんにとって、仕事をしていなくても尊いと思われる孫が居て、仕事をしていなくても自分を大事にしてくれる関係が本当に嬉しいんでしょうね・・・。Kさん、働くという価値以外の尊い価値を実感しているんだろうなと感じます、このような小さなそれでも人としての本質に近い喜びが多くなるといいなーと感じます。(記:宇根)

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