2013年2月7日木曜日

深い悲しみの中から生まれるもの

 今日の活動は、終日個別訪問を行いました。

 スタッフが手分けして行った先の仮設住宅は、今日は4箇所。南三陸町内の戸倉地区と志津川地区の仮設住宅、また隣接している登米市にある横山にある仮設住宅と・・・移動距離は大変な距離になります。個別に訪問していくにも、移動の時間も含めた時間を考えないといけず、訪問先も1件から2件が精一杯ですが、その分、一人一人に丁寧に向き合うように意識も出来るのは良いことかもしれません。


今日の訪問先で出会ったHさん。
津波でご主人が流されて以来、愛犬(写真左)が泣かなくなってしまったそうです・・。家族同然に暮らしてきた愛犬にとっても、別れによって変化が生じていると思うと痛々しい限りです。Hさんは、この何時も傍に居て離れない愛犬に救われていると話していました。
 夫との別れの寂しさを紛らわすために作っているという手作りの作品を、今日も幾つも見せてくださいました。
 *吊るし雛(写真右)・・
 *夫の供養と頂いた手のひら地蔵に敷く座布団(写真左下)・・
 *可愛らしい雛人形(写真右下)
どれも、一つ一つに心を込めて作られたHさんの思いが伝わるようです。深い悲しみにいながらも生きようとする思いが・・・。

 嬉しく思えたのは、Hさんが、自作の手作り雛を、避難所で一緒だった友人の入院先に届けてきたと話しを聴いた事でした。
 「きっと、治るから、きっと治るから」と変わってしまった友人の手に握らせて願ってきたそうです。自分の悲しみの中に留まっているだけではなく、他者のために自分を活かそうとする気持ちの中に、Hさんの回復への歩みを感じます。

 悲しみから生まれた作品が、他者を活かす力へと移っていきますように・・・。Hさん、ありがとうございました(記:宇根)





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