2013年2月19日火曜日

日々流された家を確認しては止まない思い

「復興支援は、まだまだ足りない・・地震も続いているので不安もある。体だけでなく、心の支援も欲しい、相談に乗ってもらったり、ほっとできる時間を作って欲しいし、コミュニケーションができるような支援も欲しい。家族で支え合うけど、それだけでなく周りからの支援が、一番力になる。いろんな人の話を聞いて、アイディアが広がっていけるから・・・」


 上記は、今日仮設住宅の個別訪問で出会ったTさん(写真左)のメッセージです。県外の方々に、どんなメッセージを送りたいですか?との質問に答えたのが上記の訴えでした。
 Tさんの希望する心の支援の内容は、仮設で暮らす病気がちな方々にとって大きな課題を表してるのかもしれません・・・つまり、「相談に乗ってもらえない、ほっと出来る時間を一人で作るのが難しい、コミュニケーションを交わす相手が家族以外にはいない・・・」と。
 仮設住宅の中で病気や障がいに苦しむ方々の声は、なかなか表に出てきずらい中、是非発信して欲しいと願ったTさんの声を真摯に受け止めながら、日頃から弱い立場や苦しい立場にあって声を出せない方々側に立った活動を心がけたいと願います。

  今日、訪れた仮設住宅は志津川の町が見下ろせる場所にたっています。そこから見下ろす町には、もう「がれき」さえ無くなり平たい土地が横たわるように見えます。

 その風景を毎日、繰り返し眺めては部屋に帰ってくる女性が居ます。家族の話だと、女性は毎日家があると思い仮設住宅のハズレまで見に行くそうです。そこで、その都度、平たくなった町を眺めては、自分に家が無いことに気がつく・・・そして諦めて部屋に帰ってくる。これを何度も繰り返しているそうです。

 毎日、希望を持って見に行き、現実を目の当たりにしてうなだれるようにして戻ってくる姿を想像すると、深い悲しみを覚えます。「忘れたくても、忘れられない、忘れたくない」・・・そのような叫びが聞こえてきそうです。たまたま、その友人が入院している病院(写真上左)を訪れたら、友人もまた、「家に帰りたい・・ここでは長生きしないよ」と話していました。二人して願う思いの強さに、心つまります。

 何時か、仮設住宅のハズレまで日々繰り返す時に一緒に付き合わせてもらえないかなと感じます・・・、失った大事なものの大きさを一緒に味わい、その悲しみの一端を分かち合わせてもらえたら・・・(記:宇根)



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