2013年2月18日月曜日

「町がホスピスになるように」~苦しみの中でも美しく、やさしく生きる


今日は一日個別ケアの日でした。

HUGハウス田尻畑
 震災の時の苦労や避難所生活のむずかしさ、これからの不安など、あげたらきりはないですが、それでもやはり出てくるのは震災よりもキズついた人との関わりです。家も家族も流され財産を失い、その上さらに人の冷たさでキズついた話を伺う事はよくあります。一生許せないと思うほどの痛みや苦しみを背負いつつ必死に生きておられる方がどれほど多いか、人間の力では修復できないほどの苦しみや関係性の崩壊はそこらかしこにあります。それは淡路阪神大震災の時も同じでした。非常事態の中では人の美しさも醜さも現れます。それが人間の現実なのだと思います。


  それでも苦しみを吐き出しながら涙しながらも、今日出会った方は「私の人生の中で一番うれしかったことは人に親切なことをしたことです」と話して下さいました。流された家は国道に面しているため、徒歩や自転車、バイクで旅をする方によく出会うそうです。そんな時はいつも自分から声をかけては、旅人をもてなしたといいます。休ませ、水や食事を与え、お風呂に入れたり、泊まらせてあげたり、帰る時はお土産をもたせ、旅路が無事であるように祈って送りだすのだそうです。聖書のマタイ25章に同じような話しが記されています。その方はキリスト者ではありませんが、その心の清さに心を打たれ私は嬉しくなり今日の出会いを感謝しました。


人から意地悪されても冷たい態度をとられても、決して同じように返すことなく、苦しみの中でも人間としての品性を失わずに美しく生き、やさしく生きることができるようその方の心と魂を清く保って下さるように神に祈ります。
HUGハウス&ケアカフェ心香」が被災地で大切にしていること目指していることがここにあります。一人ひとりが自分をいたわり人をいたわり合えるようになり「町がホスピスになるように」そんな願いを抱きつつ今日も一日の活動が終わりました。(記:堤)

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