2013年9月26日木曜日

自分の足で歩く


いっぱいのしそを前に
朝のミーティングのため、大雄寺に着いたら、脇の門のところで何やら作業をしている方々がいらっしゃいました。しその実取りです。二人の高齢女性が、慣れた手つきでしその実を取っています。しその香りがただよってきます。よく見ると、なんと時々訪問させていただいている方でした。「満面の笑みで、生き生きした表情」(コメント:地元スタッフ)を見せながら、私たちに声を掛けて下さいました。スタッフは、こんなに良い表情をされているこの方を拝見したことがなかったので、とても嬉しい気持ちになりました。「できることがある。手伝えることがある。私の人生を生きている。」そんなメッセージを受けているようでした。震災によって、今までできた友人との付き合いや、思い通りに外出できた環境が一変し、今はほとんど家にいらっしゃるこの方。実は体にエネルギーが沢山詰まっていて、近所の方とのしその実取りは、本来の彼女を取り戻していたようでした。
「今日もお世話になります」
とさりげなく手を合わせる地元スタッフ
大雄寺にて


いただいたバナナドリンク
さて、今日もミーティングを始めていると、お寺の方からバナナドリンクの差し入れがありました。さりげない心遣い、気遣いをいただき、スタッフは今日の活動のエンジンをかけます。


午前中は、三滝堂で事務作業をしました。まもなく出来上がるHUGハウス通信「こころの風」の為の郵送準備です。
手早く作業を進めるスタッフ

HUGさんとおしょうさんは、高野山でのトークをこなし、今夜志津川へ戻る予定です。

通信をご期待ください。

さて、スタッフは、昼食の時間を使って、某仮設Mさんと面会します。

「お昼ご飯を一緒に食べる。」それだけの事ですが、Mさんにとっては、仮設の住環境から外に出て、同世代の人と一緒に食事をするということは、とても意味のある事なのかもしれません。「ガールズトーク」を普通にできる。ある人にとっては「普通」の事でも、そうできない方があるのかもしれません。「HUGハウスの活動がなければ、出会うことがなかったかもしれない。」(コメント:地元スタッフ)介助が必要なMさんとの交流は、スタッフにとっても、人間観や社会観、コミュニケーション方法に変化をもたらすのかもしれません。

腰かけて親しく会話をするスタッフ
午後は入谷方面の仮設を訪問してみました。集会所に、人がいるのが見えます。声を掛けに中に入ると、スタッフの一人の知り合いばかり!小学生以来の久しぶりに会った高校生諸君を前に、興奮気味に声をかけるスタッフ。一人ひとりと近況を分かち合います。時々見せるあどけない素朴な笑顔と他愛のない会話。小さい頃から彼らを知り、成長を見てきたスタッフは、十数年の中に詰まった様々な困難や苦労を想い、しかし、今こうして友人と共に笑って過ごせている様子を目の当たりにし、感慨深げに彼らを見つめます。困難に遭遇し、砕かれ、立ち上がり、周りの人に支えられながら、自分の足で歩いている。力強いです。
「こんなに高校生と語れることがとても珍しい。」(コメント:地元スタッフ)
世代やジェンダーを越えて、語り合える関係があるのは素敵ですね。




帰りのミーティングの為に車を走らせると、
窓越しに見える秋の風景。




お目当ての方の訪問は不在のためできなかったものの、このような思わぬ再会、出会いができ、良いサプライズを味わいました。(記:林)


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