2013年9月12日木曜日

素直にオリンピックを喜べない

「なんだか、悔しくてね・・・私達の事を忘れてオリンピックのために動き出すんじゃないだろうかって考えてしまう。あと7年もあるけど、きっと東京は賑やかになるだろうけどね。私が、もし東京にいたら、抗議のデモでもしたくなるけど」

 こう話した女性は、仮設住宅くらし。震災前は自転車で志津川の町の中を何処にでも行き来していたようです。それが、自宅を津波に流されて高台の仮設住宅に移ってからは自転車での上り下りには限界。しかたなしに、津波に流されずに残った大事な自転車を「だれか必要な人が居たらあげてください」と自転車屋に寄付したそうです。今は、徒歩で仮設住宅の周辺を歩いているそうですが、行ける距離は自転車に比べられないほど・・・。

素直にオリンピックを喜べない思いに秘められた日々の苦しさは大きいものがあるのでしょう。最後に、「夢も希望も・・・・」と途中まで言いかけた言葉を飲み込んだ彼女はしばらく沈黙でした。


今日は、志津川地区にある仮設住宅の方々を、三滝堂HUGハウスに招く「COCOタイム」の日でした。


参加者は6人。皆さん、日頃なかなか仮設住宅から出ていけないため、三滝堂の自然の豊かさに感動や感激・・・、

 「こうして、山の空気を吸っていると、心が休まる」
 「散歩といっても、仮設から出て何もない町を歩いて帰るだけだから何も楽しくない、こうして周りを見ながら散歩できるのは いいね」
                    

帰り際には、
 「今度は、秋に、芋煮会を開こうよ」
という声が上がっていました。今日のCOCOタイムによって、次に自主的に企画する気持ちが湧いてきたのでしたら、嬉しく思います。
(記:宇根)

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