夏休みをはさみ、久しぶりに歌津地区の某仮設のお茶会に混ぜていただきました。
4回、5回と回を重ねるにつれ、参加者とHUGハウススタッフお互いが打ち溶けてきているようです。今日は、全員で一つのテーブルを囲むスタイルから、参加者の方々とスタッフがそれぞれ話している形になっていました。今の事、日常の事、周辺の出来事などの話の合間に、時折、震災の出来事をポツリ、ポツリと話されます。スタッフもじっと耳を傾けます。
途中、参加者の一人の誕生日を祝いたいと、ある方が音頭を取り、参加者全員で「♪ハッピーバースデー」を歌いました。始めは照れ臭そうに「いいから、いいから」といわれていた誕生者も、最後は「祝ってもらうって良いもんだなぁ」と喜んでいらっしゃいました。「いのち」を共に祝う。お互いにとって、とてもスピリチュアルな行為だなと思います。
カフェを彩るお花。 参加者が持ち寄り、いけてくれた。 |
震災によって出会った外部の人から、大きな刺激を受けているとお話された方がありました。その方にとってこの出会いは、癒しであり、視野を広げ、心を明るい方へ無限に導くのだそうです。このお話に、スタッフも心躍ります。出会った方は、カフェを経営していると聞きました。そこで是非このカフェを訪れてみたいということになりました。
さて、早速事務所への帰りに、歌津の海岸沿いに車を走らせると、少し小高くなっている場所に、トレーラーハウスのカフェ「かふぇかなっぺ」を発見。中に入って見ると、若いご夫婦がおそろいのエプロンをつけ、どの席からも海を一望できるようセッティングされた椅子へ招かれました。そこで感じた空気、交わした言葉などを地元スタッフに報告していただきます。(以下)
出されたプリンとその価格にも感動し、 目を輝かすスタッフ。 |
「そこは、静香で暖かい空間でした。私達の声がけに淡々と[二人のゴールは同じ]とおっしゃるKさんに熱いものを感じたのは、私だけでしょうか…。」(記:ゆうちゃん)
「横浜からいらして歌津の人と結婚したかなっぺの奥さんの話がとても感動した。自分の居場所だと思ったということ…この土地のすばらしさを話してくれ、私達が気付かない事を教えていただいたようだ。」(記:すみちゃん)
故郷の町をこんなに好いてくれる人がいる、こんなに新しいまなざしで見てくれる人がいる、ここにある自然が私の体とぴったり合い癒してくれるという人がいるということを知った地元スタッフは、深く感動し、共感し、新たな可能性を感じ、目をキラキラ、ウルウルさせながらご夫婦の話を伺っていました。これからのこのご夫婦の歩みの幸を願い、また私達の歩みに新たな可能性を感じたひと時でした。
午後からは、別の仮設に個別訪問に出かけました。訪問させていただいた方々のお話から、震災後の様々な生き様や心を伺い知ることができます。
こんな風に語って下さった方がありました。
「『宵待草』の歌詞がわたしの心を表している。」
未だ見つからないご家族の一人。流された、とびきりのマイホーム。未解決のままの震災、見えない未来、あるのは「今」という瞬間。過去と和解したい、でもどこにしがみつけば良いか…と思いずっとずっともがかれてきた。心に何かの区切りをつけられる日は来るのか…そんな叫びが聞こえてきます。
スタッフは、聴かせていただく方の思いや状況に、ただただ耳を傾けることしかできないもどかしさを感じつつ、自分の弱さにじっとこらえ、しかししっかと聴き受け止めます。祈りなしには、向き合えない日々の出会いです。(記:林)
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