2013年5月22日水曜日

何も残っていない自宅後を愛でる思い

 今日は、波伝谷仮設住宅でケアカフェ心香を開きました。

参加者は7人。
日頃ワカメ摂りをしている方が久しぶりに参加される姿もありました。

 ある方は、高台移転の目処がなかなか立たない中で、「高台移転の日が何時来るのか・・・高台移転の日が来て収まる前に、私たち年寄りは別の場所に行って収まるだろう・・・さ」と、高台移転より先にこの世との別れのほうが早いだろうと嘆いておられましたが、「あんたたちが来てくれて、話を聴いてくれるので楽しいよ」と喜ぶ姿も見せてくれました。苦しく希望の無い状況でも、一緒に歩める人の存在が力になれるのなら嬉しく思います。
 また、ある方は、「仮設住宅に居るより、流されてしまった自分の家に行っている方がいい。何も残っていないけど、そこに生えている雑草を抜いたり残った植木の植え替えをしたりしていて土いじりをしているほうがまし」とも分かち当てくださいました。その話を聴きながら、スタッフには、自分の大事な土地を愛でているように写ったそうです。
 高台へ移転した場所で次に生きる場所を定めなければいけない中でも、自分の家の土地を思う思いには、簡単に高台へ移ったから良いといえない心うちがある事 を決して忘れていはいけないと思いました。


  今日は新しく事務所になる拠点づくりも併せて行いました。

 事務所になる場所を提供してくださる大家さんの敷地内のつつじ?が満開に咲き誇っていました。大家さんは、「すっかり波に浸かり枯れてしまうのかと思っていたけど、こんなに咲いて・・だからこの間、死んだおじいちゃんに見せようと仏壇に飾ったの」と話していました。おじいちゃんが旅立ってから未だ3ヶ月にもならない大家さん。寂しい中でも、おじいちゃんとの繋がりを自宅の家や庭の花から頂いているのでしょう。夫婦で生きてきた時間の中で養われたものは、今でも息づいている事を教えてもらえたようです。「おじいちゃんは喜んでいるね」と返すと、嬉しそうに頷いておられました。
  事務所にのなる部屋に、断熱材を入れてボードを打ち付けていきました。一緒に手伝ってくれたのが、長さんです(写真左)
 以前から、田尻畑の改修にも協力してくれた長さん、段取りや仕事も丁寧で、見る見る間に出来上がって行きました。今日だけでは終わりませんが、何とか目処がみえるところまで来れたのは本当に良かったと思います。長さんのおかげです、長さん有難うございました。
(記:宇根)



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