2013年5月15日水曜日

私のアイデンティティーである故郷

 今日は南三陸町から隣接している隣町の仮設住宅、みなし住宅、或いは家を再建された方々を一日かけて訪ねていきました。

 南三陸町より広い隣町の何処に誰が移っているのか、どこに自宅を再建されたのか、みなし仮設住宅は何処にあるのか・・・、等の情報は殆ど分かりません。従って、自分たちの足で訪ねて回りながら会いたい人を探、すしか今のとろこ方法がないのが状況です。それでも、訪ね探してようやく探しあてると、本当に訪ねてきてくれた事に喜ばれます。それも、自分たちの故郷である志津川から訪ねてきてくれた事が何より嬉しいと喜ばれます。

 今日訪ねた方には、「志津川からよく来てくれた・・・志津川の人が来てくれたのが嬉しい・・・志津川の人だったら大歓迎」と話してくれていました。その方は自宅を再建し、家族も周りの人達もとても親切で有難いほどだそうです、それでも、志津川の町から離れてしまっている自分の姿に辛さや悲しさを感じている様子だったとスタッフは感想を持って帰ってきました。生まれ育った町、そこに住んでいた自分、その人にとっては故郷がアイデンティティーの一つになるほどの大切なものなのだと感じます。

 家が再建できたらいい、周りが親切だからいい、というだけでは足りない。自分が自分らしく生きられることが合って初めて人は幸せだと感じるのだと教えられるような気がします。


午前中は、仮設住宅の訪問も行いましたが留守が多く出会いは僅かでした。花壇に咲いているチューリップと近くの山に咲く花が美しく咲いていました。仮設住宅の側にある小さなプランターに咲く花ですが、故郷を離れて暮らさなければいけない人にとっては、小さくても故郷で花咲くチューリップを羨ましく思うのかもしれません・・・。せめて訪ねていく私たちが故郷を繋ぐ一つになれるといいなと思いました。(記:宇根)




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