2013年5月21日火曜日

文句や怒りも生きる力

今日は、一日個別訪問を行いました。
南方方面を訪れた地元スタッフは、みなし仮設から引っ越しされた方を探しに出かけました。
するとたまたま志津川と関係のある方と出会い、目的の方のところまで車で案内してくださいました。「出会い」はいつも、すぐそこにあります。

たどりついたお宅でお話しをうかがいました。
「新しい家は良いけれど、その疲れでかえって体調を崩してしまった。」
「新転地で新たに始める生活は良いけれど、もう南三陸町の広報は来ない。」
震災と被災者生活で大変な思いをしたけれど、「外部の人」になっては寂しい、故郷はやっぱりいいもんだ・・・そんな心の声が聞こえてきました。
また、4月や5月で転校する子どもたちも多いようです。新学期で新たな生活を始めるのは、一見よさそうに思いますが、実は移動による心細さと不安、慣れていくための新たなストレスと生きていかなければならない現実があります。南三陸の方々にとって故郷とのつながりは大人も子供も深いです。

戸倉方面を訪れたスタッフは、近日開催されるカフェ案内の掲示をしながら仮設を回らせていただきました。途中、SKC(自然の家、かあちゃん、クラブの略)の活動拠点を訪問させていただきました。もくもくと作業をしながら、その作品を見せてくださいました。ちょうどお茶の時間になり、コーヒーやお手製料理までご馳走になってしまいました。お茶を飲みながらしばらくお話しも聴かせていただきました。なかなか前に進まない住宅環境の整備に文句の一つも言いたくなります。被災された方々にしかわからない内情は、インフラ整備や店舗設置など外部から見る者の評価だけでは分かりません。このストレスと共に生きていらっしゃる方々は多いかもしれません。この想いを受けとめながら、その場を後にしました。地元スタッフは、「この怒りも生きる力になるからネガティブにとらえないでね」と言葉を添えてくれました。(記:林)

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