2013年4月26日金曜日

津波が奪っていたもの・・・

 今日は、登米市内にある米谷住宅でのケアカフェ心香の開催日でした。毎月2回の開催が定着してきているカフェは、既に住民の皆さんの自主的な集まりに形が変わりつつあります。

 今回は、桜の花見をしながら外でのカフェを計画していましたが、あいにくの雨模様(写真左)で、せっかくの花見は叶いませんでした。それでも、住民の皆さんが手作りで持ち寄った赤飯や漬物、野菜の数々がテーブルを飾ると、花が咲いたようなテーブルを囲んでの時間を過ごせました、参加されたみなさん、本当にありがとうございました、素敵な花見の時間でした。

 楽しい花見の食事会でも地元スタッフは参加者の間に入り、傾聴の姿をしっかりと生きていました(写真右上)。
 「津波はね、私からいろいろなものを奪って行ったけど、人の心の中にある、いい心まで持って行ってしまったよ」と話す住人の話を聴いていたスタッフは、被災後に周りの方々から受けた悲しい仕打ちに傷んでいた心を受け取ったようです。その方は、津波で被害を受けた後から日々の記録を綴っているようですが、他者から受けた傷が癒える前に心にたまり続けているのかもしれません・・・。「私のそばに座って話を聴いて」と話していた方の叫びにしっかりと耳を傾けきれる人でありたいものです。


  午前中には、スタッフの半分は隣町の老人施設に入所中のHさんを訪問しました。Hさん、とても喜んでくださっていました。是非、お礼を書きたいからとHUGハウス宛に手紙を書きたいと話していたそうです。喜びを伝えたり、感謝を伝えたりする相手が居るのと居ないのは大きな違いかもしれません。Hさんの喜びを載せた手紙が届くと嬉しいです。施設の職員ともお話が出来ましたが、「この施設は色々なモノが揃うより、職員一人ひとりの暖かい心を利用者の皆さんへ届けるのが一番」と教えてくださいました。暖かい心を届ける・・・その意識を学びたいものいです。

HUGハウスは、2011年の8月から田尻畑の及川さんの家の離れを提供していただき事務所にも住居にも、またボランティアさんの宿泊場所にも利用し活動を続けてきました。これまで南三陸町での活動が続けられたのも、及川さん家族の理解と協力なしにはあり得なかったと思います。また、当初、1年の約束でしたが更に1年も延長してくださったことにも本当に助かりました。及川さん、有難うございました。
 この度、及川さん宅では津波で被害を受けた畑の復興の目処もたち、始まった菊栽培も本格化して来ています。約束の2年目を迎えたことと、菊収穫のために事務所にさせていただいた離れを使用する時期に来ましたので、使用してきました離れを返却し次の拠点へと移動を考える時期になりました。さっそく幾つかの候補を地元スタッフと交渉し準備しています、今日も荷物の一部を三滝堂HUGハウスへ移動ました(写真左)。
 可能であれば、5月から新しい拠点を事務所に活動を続けていけるように頑張ります(記:宇根)

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