2012年4月13日金曜日

心のなかの奇跡(不思議な体験)

今日の午前は米谷(まいや)住宅でのカフェ。みなし仮設での2回目の開催です。
前回、初めての出会いで震災の体験や重くのしかかっていた思いを話し、それを聴いてもらい「なんか吹っ切れた感じがしました」と一歩前に進めた体験を分かち合ってくださいました。

他者と「どう出会うか」それによって、その人の変化は違ってきます。『他者を生かす出会い』『その人が持っている力を引き出せる出会い』は、まさに心のケアの大切な視点といえます。

午後からは、仮設周りと個別対応。
良夫さん83才
神割崎で出会った83才の男性は、妻と離れた場所で畑作業をしていたそうです。「ここまでは津波は来ないだろう・・」と、結局逃げる機会を失い津波に呑まれました。波に後ろから押し上げられるように高台へ流され、無我夢中で目に飛び込んできた木にしがみつき、そして離れ離れのままの妻の姿を探し、名前を叫び続けました。すると、反対側から回り込んできた波の中に妻の姿を見つけ、また、無我夢中で妻の手をつかみ、そのまま引き波に耐えました。津波が引いた後、二人は小さな土手の上下で、互いにしっかりと手を握った状態だったとか・・・。ご本人も「奇跡みたいなものだ」と、振り返っておられました。


多くの方が慣れない仮設住まいや環境。また、見通しがつかない不安感を抱えた生活の継続は、生きる力を弱めていっている現状もあります。
大切でない命などはありませんし、「何ができるから・・」ではなく、命そのもの、存在そのものが尊いものです。それぞれの貴重な体験を通して、人生の意義や意味を見いだしていただければ幸いです。その人のなかにある大切なものを発見できるよう、共に歩みむことをスピリチュアルケアといいます。
HUGハウスが提供している心のケアは、このようなケアを指しています。(記:マドフォ)

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