2013年10月9日水曜日

自分の役割を生きれる喜び

「わたしはね、未だ未だ死にたくないの・・・まだ楽しことが沢山あるから」

今日、訪問した仮設住宅で話を聞いていた80代の女性が話していました。まだまだ死ねない程の楽しみは何なのかをお聴きすると、
「孫が、5年生になったの。その孫がお医者さんになりたいって・・・、だから、その子がお医者さんになるのを、この目で見てみたいのさ。それが何よりの楽しみ・・・」
と未だ未だ死にたくない理由を教えてくれました。現実的に何年かかるのか分かりませんが、孫の成長を心待ちにしたい想いは、仮設住宅での苦労や生活苦を超えていける希望をもたらしているようです。「大好きなの孫が・・・」と話す笑顔が、とても輝いていて印象的でした。

 またある女性も、いろいろ本を読んだりいろいろな人に出会ったりするのが楽しいと話していました。本に書かれている知識が「自分をいろいろな場所や時代に連れて行ってくれる・・・」と楽しそうに話しておられましたが、得られた知識などを何に使いますか?と尋ねると、嬉しそうに教えてくれたのは

 「私は家族が五世代にまたがっているの・・・そんな家族を調整したりまとめたりするのが私の役割さ・・・、そのためにはいろいろな知識も必要になるだろうからさ」と教えてくれました。その時の笑顔は、前述したお孫さんの成長を楽しみにしていた方と同じ、笑顔に見えました。


希望を味わえる出会いに、心が安らぎました。
今日は、志津川地区にある仮設住宅でケアカフェ心香の開催でしたが、自分を支えている力や想いを分かち会える時間が多かったようでした。


午後からは、地元スタッフのようちゃん、すみちゃん、けいちゃんは、それぞれ個別訪問に出かけていきました。

 以前に出会った方が、「訪問してくる人が本当に心配してきてくれる人かどうかは、話を聴く姿で分かる」と言われていたそうです。
 話をする人にちゃんと寄り添えているか、どうかはその姿勢に現れてくる事を教えられます。自分の向き合う姿勢を絶えず、見直していく必要を感じました。教えてくれた住人の方に感謝です。(記:宇根)




2013年10月8日火曜日

移動アリーナカフェ~partⅡ

準備する地元スタッフ
今日はアリーナでの移動カフェの二回目の日。
昨日までの薄ら寒い日からうって変わり、残暑を思わせるような日差しが降り注ぐ暑い一日でした。

アリーナでのカフェ準備から地元スタッフは、もう汗だく。キャンピングカーとタープの少ない日陰に隠れつつ準備を進めて開始・・・。
今日から新しい垂れ幕も加わり

前回は週末明けの日でもあったからで病院や役場を利用する人も多かったようですが、それに比べて今日は病院や役場を訪れる人も少なかったようです。それでも、10時から14時すぎまでの間に利用された方々は、29人でした。

 ★カフェにどっと人が押し寄せることはなく、数人の方が訪れていました。そのためでしょうか、ある利用者からは、「なんだか、ほっと落ち着く感じがするね」という感想が聞かれました。

 ★また、何時も働きづくめでゆっくり座ることさえないという方は、「こうして話をするのも、いいもんだね。話をするのは、あまり好きではないけど、なんだかいろいろ喋ったみたい。いい感じでした」という感想もありました。

仮設住宅からの参加も
このような感想を聞いていると、ケアカフェ心香の大事にしたい雰囲気は作れたいたように感じます。もちろん、その雰囲気を作れているのは、そこにいる人の雰囲気でもあるでしょうから、迎える地元スタッフの心配りが伝わっていると思います。
 
 途中、近隣の仮設住宅の方が誘い合わせて訪ねてきてくれましたのは嬉しかったです。(記:宇根)


地元スタッフからのメッセージ・・・今日の報告です。
★「今日は10月とは思えない日差しと陽気に恵まれての第二回目の移動カフェとなりました。まだまだ浸透するには時間がかかると思いますが、来てくださった方が少しでもホッと出来る時間や空間になっていけたらいいと思います」(ようちゃん)

★「アリーナカフェでは普段忙しく働いてる方や私達の活動に凄く関心を持って、ハグハウスのスタッフ自身のケアの仕方を尋ねられたり。仮設で行うカフェとは全く違う出会いで戸惑いもありましたが『あなた達の顔を見てると安心するの』とか『ホッとする』など力になる言葉と笑顔を頂いたので、その言葉一つで心のモヤモヤも一気に飛んで行きました。嬉しい言葉をかけて下さりありがとうございました。」(るみちゃん)

★「秋晴れのなか、ジリジリ照り付ける太陽をあびて、日陰をさがし、復帰の一日目が、あっという間にすぎてしまいました。仲間にかこまれ、また、この場でみんなとしごとができる、嬉しかった・・ちからをもらい、また頑張れる。よろしくお願いします。」(えみちゃん)
(えみちゃんは、しばらくの間、体調が優れず休んでいました。今日が復帰の日でした・・・。)






2013年10月7日月曜日

セルフケアを生きる

年を重ねていく事を、どのように受け止めていくのか?

この事はとても大切な事だと感じます。人によっては、高齢になることに苦悩を感じたり、辛い現実に目を背けたくなるように感じたり、あるいは諦めのような感じを持ったりと・・・。ただ、どのように感じようと、高齢に向かって私達皆が生きているの変わりありません。それだけに、高齢になっていく自分の捉え方一つで日々の生活も大きく左右されそうです。
 今日は、ある仮設住宅で暮らす90歳近い方が、年を重ねていく自分の事を次のように表現してくださいました。

 「最近自分史を書いているけど、なかなか進まない。進まない理由は、この手が言うことを効かなくなってきているからだけど、それよりもこの頭の方がゆっくりになってしまって・・・。能率が上がらないんだよね。でもね、このゆっくりになっていく事は順調かもしれない。病院の先生も、順調に年取って来ているよって言う。わたしも、もう何時逝ってもいいと思う。そういう意味では、ゆっくりになってきているのは順調な進み方だと思うよ」

年を重ね、老いていく自分を「順調に進んでいる」という捉え方・・・、マイナスではなく進んでいること。順調であること、こう捉えられたらどんなに豊かな日々になるでしょうと思います。いつか来るでろあろう旅立ちを準備しつつ今を生きるための、秘策を教えてくださったように感じました。



今日の活動は、歌津地区の仮設住宅での「ケアカフェ心香」開催の日でした。
カフェには11名の方々が参加されましたが、個人個人の話しをする時間の他に全体には、終始笑顔と笑いがあふれる時間でした。
 中でも笑いを提供してくださったある女性は、自分の面白い経験をダシに何度も皆さんを笑わせてくれました。ですが、彼女は「こんな風には部屋では笑えない・・・こんな風には夫婦間でも笑えない・・・むしろ、いがみ合っていることが多いよ。でも何時までも泣いてばかりいられないから、ここでは笑うの」と話してくれていました。

 笑顔とそうでない心が同居しているようです。相容れない二つの心が同居していても、その二つの心に揺れ動いてばかりではない。そのうちの笑顔を、今は味わいたいから笑う・・・。簡単なようですが、大事なセルフケアなのでしょう。(記:宇根)

2013年10月4日金曜日

前を向いて生きる・・・

久しぶりに訪問したある仮設住宅で、気になるKさんを訪問すると、ご家族がKさんは2週間前に旅立たれた事を教えてくれました。

Kさんを病院に訪問したのは8月の末でした。

しっかりと手を握りながら、「わたしね、10月に入ったら退院だよ。家が建つからそこに行こうって家族に言われてね・・・早く退院したいよ、新しい家に行きたいよ・・・だからね、家に帰ってもいいようにね、リハビリ頑張るから」と話してくれたのを鮮明に思い出します。嬉しそうでした、家が建つからって・・・待ち遠しそうに、頼もしそうでした、家族が迎えに来てくれるからって・・・。

 Kさんは津波で流された娘さんが見つからないのことに、「しかたないね、上がってこないんだったら龍神様になって欲しいね。龍神様になって町の人たちを守ってほしいね」と話していました。龍神様になった娘さんが待っている、素敵な家に旅立ったのでしょうね、Kさん。
 10月からは新しい家に住むと言っていたのは、この「新しい家」だったのかもしれないと思います。海を見るたびにKさんと龍神様になった娘さんを思い出しそうです・・・。ありがとうございましたKさん。



 今日はなかなか訪ねていけなかった戸倉地区の仮設住宅を訪問して回りました。

 その中で、久しぶりに出会った女性は仮設住宅の前の花壇に花を植えていましたが、この時期になると色の付いた花を咲かせたくなると話していました。ピンクや赤の花が咲いているのを見るのがいいと・・・、鮮やかな花が咲いている事で心が和むようです。訪問したるみちゃんは、「やっぱり、寂しい思いがあるんでしょうか・・・」と感想を報告していました。
 せめて花でも明るく咲いて欲しい、と願う気持ちの底に秘められた想いに届く関わりへと繋がっていけるといいなと思います。(記:宇根)

★地元スタッフゆうちゃんからの報告です
「今日は、朝の涼しさが10月と秋を感じずにはいられない日です。
1ヶ月ぶりに伺わせて頂いた戸倉地区の某仮設、温かい出会いが私達を待っていました。
お姿を見かけて手を振ると振り返すSさん、笑顔で挨拶、お元気そうで何よりです。
新しく息子さんに買って頂いたとおっしゃるシルバーカーを見せながら、散歩に誘ってくださいました。
「まだ、無免許だから」と話ながらエスコートして下さいましたね。
「津波で失ったものは元には戻らない、生きてよかったのか、迷う事もあるけれど、前を向いて…」と力強い言葉を頂きました。
私達は、母とお散歩をしているような気持ちになりましたよ、ありがとーございました。お元気で、また誘ってくださいね。」(ゆう)






2013年10月3日木曜日

苦悩と苦悩が出会い・・・そこから愛が生まれる

今日は1日フリーの日、1日かけて個別訪問を行いました。

訪問先の庭に実る果実
ゆうちゃんは歌津方面の仮設住宅に住む方と家が残った方を、ルミちゃんと洋ちゃんは南三町のお隣、登米市内に自宅を再建された方を訪問しました。

足が悪い、どこが悪いといって家に閉じこもっている方の話を聞いていると、本当は淋しかったり、気持ちがなかなか一歩前にでないんだなあ。ということを感じとったゆうちゃん。

ルミちゃん、洋ちゃんは、定期的な訪問を継続することで、顔を覚えていただき、自分たちの訪問を楽しみにしてくれている。そのことがよくわかる。と話していました。南三陸を離れること、新しい土地で新しい生活を始めることは、特に高齢の方々にとってとて大きな出来事です。人も訪ねてこない。話すこともない。そのため物忘れがひどくなった。と話す方。

何か作ろうとしてもオール電化になって操作が分からない、あるいは、若い人たちは働きに行き、日中は一人、火の元があぶないからと、電子レンジで温めるだけのになっていたり、また、何か一品作っても食べさせる人がいない。など、人それぞれいろいろな苦悩やジレンマ、自問自答を生きておられます。

私たちはその現実を思い通りに変えることはできないですが、
日々、忘れていないよ!!その苦悩・ジレンマ・自問自答をしっかり受け止めているよ!!ということをこころの中に刻み


、どう支えあえるか、どう愛すればいいか、どうHUGすれば、相手の支えにつながるか、大切な関わりを模索し、苦悩しジレンマし、自問自答しています。

苦悩と苦悩が出会い、そこに愛が生まれたら、いやしが生まれたら、どんなにいいでしょう。・・・今日も一日が終わりました。地元スタッフに感謝!!お疲れ様でした。(記:堤)



◆ 地元スタッフ ようちゃんのメッセージ

今日伺った二軒のお宅は、町外に自宅を再建された方のところです。
どちらも、津波で家族をなくしておられるうえ、ご高齢の方が昼間一人で過ごされています。若い人達に従い、知らない土地で暮らす事を覚悟して来たものの、知り合いは誰もいない、誰も来ない、行けない…一日中独りぼっちだといいます。

○○さんは八十代男性、
お彼岸に津波で亡くなった奥さんと娘さんのお墓参りに行きたくても行けなかったことを話してくれました。南三陸の方をむき「ここから拝んだのさ」と悲しそうに言います。「大丈夫、わかってくれてるから…」そんな言葉が果たして適当だったかどうかわかりませんが、Kさんの心の傷みに触れすーっと出てきた言葉でした。
故郷もお墓も遠いところとなってしまった淋しさは癒えることはないと思います。せめて家族がお互いを思いやり、居心地のよい生活が出来る事を願っています。


◆ 地元スタッフ ルミちゃんのメッセージ


今日は、仮設住宅を出て再建したお宅へ訪問に行きました。
まだ仮設住宅に住んで居る私の気持ちからすると、『羨ましいなぁ~』とか『綺麗で広くて住みたいなぁ~』など素直な気持ちで再建をお祝いしたいのですが…住んで居る高齢の方はそれとは全く別で『此処に住みたくはかった』や『寂しいの…』など真剣に悩み事を話して下さいました。

今日の出会いの中で感じた事は住居が広くて綺麗な場所でも、家族の1人でも心の中に不満や不安を抱えていたら幸せな生活とは言えないと強く思いました。
その方は、私達が訪問する日を指折り数えて待っていてくれたらしく『もう来る頃だろうと思ってたんだ』と嬉しそうに話して下さいました。
今日の訪問によって心の中が少しでも温かくなってくれる事を願います。




2013年10月2日水曜日

苦労ー実りー希望

孫たちのためにと書いたKさん

「地震、津波注意
大地震が有ったら すぐ高台に逃げろ
高台に上がったら、後にもどるな
もどれば命がないものと思え」

この文章を作ったのはKさん。津波当時は、自宅近くの防波堤に海を見に降りてきていたそうです。近くの人から津波だから逃げろと言われなかっらた、自分は死んでいただろう・・・と話していました。そのKさんの自宅には、上記の言葉が書かれた紙が貼られていましたが、この文章の初めに書かれていた言葉が、『遺言』だったのは印象的でした。誰のために書いたのか、お聴きすると、「孫たちのためだ」そうです。
 地震、避難所時代に経験した苦しい想いを
孫たちには味わって欲しくない命を込めて書き残した大事な言葉・言霊なのかもしれません。

 他にも、お孫さんへの思いの深さを語ってくれた女性にも今日は出会いました。「自分の60年余りの人生は、下り坂ばっかりだった・・・苦労したよ」と話される女性に、その苦労は実りましたか?と質問すると、「そう実った、実ったと思えるのは孫たちだね・・、そう孫たちが自分の実りさ」と返事が帰ってきたのです。苦労が実ったと嬉しそうな顔を向けるその女性の人生の苦労は、思いもよらないほどのものだったのでしょうが、苦労だけではなく報いが必ず訪れる事を教えてくれているようでした。お孫さんが出来た事が苦労の実りならば、そのお孫さんの成長のために自分のこれからの役割を考えることができるなら、希望にもつながるのでしょうか。実りが新たな希望を生み出す・・・。


地域も仮設住宅も・・
 今日は、歌津地区の仮設住宅でお茶会を開いているところに訪問を行いました。

このお茶会の特徴は、仮設住宅内の談話室で行われているお茶会であるにも関わらず、仮設住宅在住の方はわずかです。参加者の多くが、家が流されずに残った在宅の方方である、というのが大きな特徴だと思います。津波という被害に有った人、そうでない人・・・、そういう支援の線引きが地域を分断してしまったという事例を多く聞いていただけに、この仮設住宅の垣根を超えた繋がりに、暖かいものを感じ、嬉しさも味わえ有難かったです。

今度、このお茶会に参加している方々が、三滝堂HUGハウスでの「cocoタイム」を希望されています。10月の秋を感じる頃に実施できそうです、「よかったね、楽しみがひとつ増えたよ」としみじみと話していた顔が忘れられません。小さい楽しみですが、希望の一つになりますようにと願います。(記:宇根)






2013年10月1日火曜日

待っている人たちの心を忘れずに

 今日は、スタッフは訪問するグループと通信の発送作業をするグループの二つに別れて活動を行いました。

 訪問を行う活動と違って通信の発送作業は単純な作業です。しかし、その単純さが時としては大いに役立つこともあります。
 今日、発送作業した地元スタッフのお二人は昨日の、移動カフェに出勤したお二人。始めての試みであったために緊張がかかり、また多くの方々との出会いにも神経を使いと、普段の活動とは違った疲労を覚えていたようです。その疲れを自覚したスタッフの二人は単純作業をしながら、自己のメンテナンスを行ったようです。この自分への気づき、自分のメンテナンスへの意識がスタッフの中に育ってきているのは大きな成長だと思います。そして、このメンテナンスが上手になっていくことが、向き合いの上手に繋がっていくとも思います。


訪問したグループは、ある仮設住宅で高齢になっても一人暮らしをしている女性とあってきました。歩行もおぼつかない位の脚をしているその方の独居の状態に心配の気持ちが大きくなりました・・・、定期的な訪問を続けていきたい。そう感じて帰ってきましたが、帰り際にその方は、体にいいからと黒飴を人数分くださったとの事でした。足が悪いために両手がふさがってしまうため、お腹に巻いている腹巻をカンガルーのポケットのように使い飴玉やドリンクを入れていたようです。
 ほとんど誰も面会に来ない状況でも、しっかりと飴玉はカンガルーポケットにしのばせていました。何時か訪ねてくるだろう人に分けてあげるためだったようです。小さな飴玉でも、お礼に分けてあげたいと思いつつ訪ねてくる人を待っている姿は忘れられません・・・。温かくなった飴玉に込められた想いを噛み締めたいと思います。


 他に、今日は幾つかの仮設住宅を訪問しました。
明るく元気そうな男性たちと過ごした時間、楽しそうに笑い声が溢れている時間だったようですが、お別れの時間になると、「寂しくなるね」とこぼされた言葉にスタッフも胸を痛めました。「また来ますから」と伝えると、「そんな言葉、誰にでもいっているのだろう」という言葉が帰って来ました・・・、有言実行。心と心の繋がりを単なる挨拶で終わらせない事の大事さを痛感しました。

訪問の記録を忘れず・・
またある女性は、入院している母親の元に泊まり込みでいくとのこと。「食欲のない母親のそばで泊まり込むと少しは食べれるから・・・」だそうです。今まで話したことのない母親との事をポツリと話してくれた思い。きっと母親への思いが詰まっていたのでしょう。その方との距離感が縮まったように感じます。母親への思い・・・更に聴かせていただけると嬉しいです。


最後に活動を終えて、今日の出会いを記録しながら、学んだ事を忘れず自分のものにしていく事も忘れません(記:宇根)