2013年11月26日火曜日

新しい出会いの中で生きる


「地元話はいいもんだぁ。」

「やっぱり同じ部落の人でないとねぁ。」

「昔っからの仲間だからぁ。」

個別訪問で出会う多くの方々から聴かせていただくことばです。

訪問する方々への
クリスマスプレゼント
「祈りのろうそく」
地震と津波によって、物理的に同じ空間・時間を昔からの人と共有できなくなって二年半。新しい場所で新しい人とのつながりの中で、居場所を見つけたり、戸惑ったりする人々がいます。今日は、そんな方々との出会いがいくつかありました。

クリスマス用ラッピングに
包まれた和ろうそく
入谷方面仮設在住のWさんは、ボランティアとの関わりの中での気持ちを分ち合って下さいました。いただいて嬉しい気持ちと残念な気持ち、もらいたい気持ちとお礼のプレッシャー、サービスを受けたい気持ちと受けられない物理的不自由さ。だから、ボランティアグループによる他県への旅行兼見学会企画で、旅行参加者の中に地元仲間との再会が果たせないかなと密かな望みを抱いて参加したりします。

カフェの案内をしながら訪問
Sさんにとっての自宅再建は、単なる喜びではありませんでした。一人暮らしを長く経験したSさんにとって、改めての四世代同居は、かつて志津川で当たり前だった生活形態にも関わらず、違和感を感じ、改めて共同生活の難しさを味わいます。

「人は一人で生まれ一人で死ぬ。でも一人で育たないし、死んだ後も人のお世話にならないといけない。」

世話にならなければ人は一人では生きていけないと分かっていても、世話になりたくない気持ちとぶつかり合います。


再建された真新しい自宅。
石だらけの土から石を除き、
畑を作って希望を膨らませます。
町外に自宅を再建されたKさんは、広々とした自宅の中で、ジャンパー一枚羽織り、一人の時間を耐え忍んでいます。「やめてもいんだでば。」かつて頻繁に交流のあった親戚がさっぱり訪問に来ません。

「来るのはあんたたち(HUGハウススタッフ)だけだ。」

訪問したスタッフを飛んで出迎えるKさん。Kさん自身の生きる力はどうしたら取り戻せるのでしょうか。

町外の見なし仮設に住む方。以下、地元スタッフの報告です。
新たな出会いの記念写真。
CoCoタイムにて

「やっと念願が叶って再開が出来たママさんとの出会いです。
震災後に南三陸町から車で約1時間位かかる地域に移ったのでなかなか簡単には会えなくなってしまいました。
会った瞬間に自然とお互いに手と手を取り合い笑顔が溢れたのはどんな言葉よりも嬉しさが伝わります。
知らない土地で一生懸命、子育てと主婦業と家族を守ってる姿は本当に偉いなぁ~と感心させられました。
話してても笑顔を絶やさずにずっとお話ししてくれたのが印象に残ってます。
震災前は近くに友達もたくさん居たのに離れてしまい心細さもあったと思いますが、そんな素振りもみせずに、その方の笑顔を見て逆に訪問しに行った私達がケアされた癒しの時間にも感じました。
知らない土地で生活して頑張ってる方もまだまだたくさんいる事を忘れては行けないなぁ~と改めて思いました。
町の復興が長引けば長引くほど人の心のケアは必要になると思います。
今日は『 あなたを忘れてないからね 』の意味を改めて伝えて行きたいなぁ~と思えた貴重な出会いでした。
寒くなって来ましたが、ハグハウスのスタッフはいつもあたたかい心を持って毎日皆さんを訪問したいと思います。今日の素敵な再開ありがとうございました。」(るみちゃん)

助かった命と共に、新しい場所で新しい出会いと共に生きることは簡単ではないという叫びをたくさんキャッチしました。一方で、新たな出会いで苦労して築きあげられる関係は、きっとそれぞれの方の力、こころの礎になっていくでしょう。

希望と共に、HUGハウススタッフの毎日の新たな出会いは続きます。(記:林)





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