2013年11月28日木曜日

子供孝行という「再建」

 今日は、ある再建住宅を訪問しました。今年の夏に、仮設住宅から引っ越したばかりの方です。再建された家は南向きで日あたりの良い素敵な作りになっていて、窓から差し込んでくる日差しがなにより嬉しいと話しておられた程。

 大きな窓から見晴らしの良い外を眺めながら、引越しをした女性は、「こうして新しい家に引越しが出来たの良かった・・・でも、もう後はないし、何時お迎えが来ても不思議じゃない。来年来るかもしれないし、いつ来ても良いくらいの年齢になったの。だから、後は何もする事も無いし、こうして日々暮らしていくだけですよ」と話していました。

確かに何時お迎えが来ても不思議じゃない年齢ではあるようですが、それでも今出来る事や役割はないのでしょうか?と質問してみると、「健康を維持する事が大事なこと・・・健康で子供や孫に面倒をかけさせないようにする事が大事なことなのですよ・・、こうして新築してまもない状況で私が体を壊してしまったら、家族が大変。そうしないように健康を維持する事・自分らしくある事が、何よりの子供孝行なの」と教えてくれました。
 
 何も出来る事はないと言いつつも、健康を維持するという、大きな役割・出来ることがある、と捉える思いはとても素敵だと思います。能力や力などとは違い、自分を自分らしく存在させるという事に価値を持てること、またそれを大事な役割だと同じように考える家族の存在がきっとあるのでしょう・・・。このような「再建」を果たすのも素敵・・・と実感した訪問でした。


 今日は、他にも仮設住宅の訪問をしました。

ある仮設住宅では、年々年を重ねていく中で「年追うごとに体が動かくなってくるし、やる気も起こらなくなってきた。年取るのは嫌だね・・・生きるのも飽きてきたって思えるほど・・・」とこぼされる方が・・。日々を生きるのにも飽きがくるような毎日。仮設住宅の暮らしの厳しさを教えてくれていました。

漬物石の調整をする夫婦
またある老夫婦は、漬物を付けるための石が軽すぎて重しにならない・・、樽の中に水も上がってこないと。震災以前なら、海に出かけて重しになるような石を見つけてきたのにと、ここ(仮設住宅)では石を購入しても高台に立つ仮設には年取った体では持ってこられないと話していました。東北では毎日食台にあがる漬物にさえ、仮設住宅での厳しい生活状況が現れているのを感じます。(記:宇根)


 

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