2013年11月19日火曜日

「思い出」を力にして生きる


作品を作り、イキイキ。
 震災前に積み上げた人との関係、大切にしてきた「思い出」。今日は、「思い出」を通して、震災後の生き様を見せていただきました。

 

「よく晴れた爽やかな小春日和。今日は中田蓬原・南方仮設住宅を訪ねて行きました。蓬原に住宅再建されたSさん。お一人で留守番。突然の私達の訪問を心良く迎えてくださいました。「やっぱり南三陸の人と話しするのは嬉しい。」といって、今日は初めて家族の問題に心を傷めていることをお話してくださり、『私の胸に手をあてて話しを聞いてもらい、すっきりした。』とおっしゃり、笑顔を見せてくださいました。今日の訪問がSさんにとってこころの解放になったこと、とても嬉しく思います。またこれからもSさんに寄り添い続けたいと強く願います。」(記:えみちゃん)

 

人との出会いの軌跡が
壁一面に並ぶ。
「今日は隣町の仮設住宅を訪問してきました。談話室前のメイン通り?を歩いていると色々な方と出会うことができます。
先週末、南三陸町の小学生のビニールバレー大会がありました。私も小学生の子供がいますので、応援に行きましたがその会場で、カメラを片手に、傍らにビデオカメラを設置し、試合の模様を一心不乱に撮影しているお父さんが一際目を惹きました。その方に今日は出会うことができました。「いい写真は撮れましたか?」と聞くと「震災で写真もビデオも全て流された。これからでもいいから、思い出を残してやりたいと思って…」と少々恥ずかしそうに話してくださいました。子供の成長の記録を残してやりたい、なくなったものを取り戻そうと思えるのは、前に向かって進んでいる証拠。守りたいものがあるって大きいな~と思います。
また、独り暮らしの七十代の男性ともお話し出来ました。家の中はまるでからくり屋敷。訪れた方達の写真が壁一面に貼られ不思議なものがたくさん…「いかに楽しく暮らせるか、色々な工夫や努力をして生きてるんだ」とのことでした。独り暮らしを寂しいとかつまらないと思うのではなく、常に前を向いて歩もうとする姿に元気を頂きました。
幸せは待っているだけではいけない、努力とそして、自分の心が決めるのですね。」(記:ようちゃん)

 

 入谷地区Cocoタイムで作った思い出。楽しく、気分転換になった思い出を写真にして、参加者に配布したスタッフ。厳しい毎日の生活に戻られ顔がこわばっていらっしゃった方でも、一瞬「あ、あの時のね」と表情を和らげられました。

前に進み続ける時間。新しい時が毎秒刻まれていく中で、過去にすがるのでもなく、時間しのぎに今を生きるのでもなく、「思い出」は力にして、可能性に開かれた出会いの中で今を生きたいと願います。(記:林)
 
 
 

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