2013年2月13日水曜日

「あいまいな喪失」に区切りを付ける

  「この山を見ていると、友人のAちゃんを思い出す・・・あの山もこの山も・・どれもみんな、一緒に行った山だもの。・・本当に寂しい・・けどね、もう帰ってこないんだよね、だから、ちょっとづつ今は気持ちも落ち着いてきた・・仕方ないよね、もう帰ってこないんだもの」と話してくれたのは、仮設に暮らすKさん。

 Kさんは、震災当時に一緒に居た大の親友が家に何かを取りに行ったまま未だに見つからない。ずっと探して回っても見つからず、寂しくて苦しんだ事を分かち合ってくださいました。サヨナラを言えないまま別れた思いは、苦しくて苦しくて例えようがなかったようです・・。それでも、そんな苦しみ寂しい状況からも、Kさんは変わってきていました。
 その思いを少しずつ変えてきた力、それは「もう、帰ってこないんだよ」、自分自身で付けようとした踏ん切りなのでしょう。誰かが付けるのではなく、自分自身で付ける、ひとつの区切り・・・。Kさんは、踏ん切りを付けられるようになるまでには、残った友人たちとAちゃんの思い出を存分に話していたからだと語っていました。思いを語り合った友人たちの存在、そして時間・・・別れの悲しみを癒す為に必要な大切なものが何かを教えてくれる、今日の個別訪問での出会いでした。


 今日は、戸倉地区の仮設住宅、自然の家(写真左)でカフェを開催しました。ケアカフェというより、コミュニティー作りの為のカフェです。
 住人が自発的に開くカフェの形を参加者と一緒に模索しながら開くカフェで、今日で2回目。前回、同様に雪の降りしきる中での開催でしたが、新しく参加した方も入れて4人の参加がありました。参加者が、マイカップを持参したり自分たちで声かけあったりといろいろ工夫をしていました。今日は、心のケアのミニ学習も皆で確認する時間(写真下左)も持つことが出来ました。
 この形のカフェを今月、あと1回(計3回)開く予定にしています。

 3回のカフェを通してすぐに自主的に何かが始まる訳ではないでしょうが、「自分たちでも不定期ながらに集まってきているんだよ」、と話す参加者の声を聞くと嬉しくなります。コミュニティー作りには、未だまだ課題は山積みのようです。それでも、何かを自分たちで始めたいと思いを口に出し、実際初めたという実績がこれからの力になっていくのではないかと思います。
 今後も、無理なく長続きできるような形を参加者同士で話し合っていけたらと願います(記:宇根)


0 件のコメント:

コメントを投稿